東京五輪はデルタ、北京五輪はオミクロン…感染拡大で「中止の可能性」と米メディア

雲行きが怪しくなってきた(ロイター)

米メディアが新型コロナウイルスの新たな変異株として脅威が高まるオミクロン株によるパンデミック(感染爆発)で、北京五輪が中止となる可能性に言及した。

オミクロン株の急拡大により日本政府が外国人の新規入国を全面停止するなど各国が警戒感を強める中、米メディア「タイムズニュースエキスプレス」がスポーツ界への影響について特集した。

「新たな変異株の影響は、スポーツの世界で感じられている。スイスのルツェルンで開催される予定だった冬季ユニバーシアード大会が、開幕予定の2週間前に中止となった」と国際大会への影響が出始めている点を指摘。続けて「より感染力が強い可能性のある新しい変異株は、カナダを含むいくつかの国で広がっており、渡航禁止令が促進されている。選手たちは、いつ帰国便に搭乗するのか、到着時に直面する可能性のある検疫要件も分からない」とスポーツ界が混乱に陥り始めていると分析した。

そうした現状から「オミクロン株は、2月に開幕する北京冬季五輪について疑問を投げかける」と今後北京五輪の開催に影響が出てくると推測。2006年トリノ五輪の男子カーリングで金メダルを獲得したブラッド・グシューが「私は人間として、変異株が世界中にどのような影響を与えるかについて明らかに心配している」とコメントしたことを伝えながら、アスリートの間でも五輪の開催を疑問視する声が広がりつつあることを指摘した。

今夏に開催された東京五輪の開幕直前にはデルタ株が猛威を振るったが、今度は新型コロナの〝最凶〟とされるオミクロン株が北京五輪の開催を危機に追い込みそうだ。

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