立憲民主党に泉健太代表が誕生。民主党から現在までの流れを振り返る

立憲民主党公式サイトより

11月30日に立憲民主党の代表選挙が実施され、泉健太氏が新代表に選出されました。

現在国会で野党第一党の立場にある立憲民主党ですが、結党までにはさまざまなエピソードがありました。

本記事では、1990年代に誕生した「民主党」とその系譜を継いできた政党がどのような流れで現在の立憲民主党へと至ったのかを振り返ります。

民主党(1996年~1998年)

1996年9月、「民主党」が誕生。社民党や新党さきがけ、新進党等から57人が集結しました。

1998年~2016年の民主党政権を担った民主党に対して、この時代の民主党は「旧民主党」と呼ばれることもあります。

民主党(1998年~2016年)

1998年4月、民主党(1996年~1998年)・民政党・新党友愛・民主改革連合が合流して新党を結成。

法規上は民主党に他政党が合流した形になりますが、民主党メンバーも一度離党し再入党という形をとっています。

そのため民主党(1996年~1998年)とは民主党(1998~2016年)とは別政党として扱われています。メディア等で「民主党」と呼ばれる政党は、主に1998年~2016年の民主党のことを指します。

2009年には政権交代を果たし、民主党政権が誕生。

鳩山由紀夫氏、菅直人氏、野田佳彦氏が歴代首相を務めました。

2012年には衆院選で議席を減らし、再び野党に戻りました。

再編の動きが進み、2016年2月には民主党が維新の党を吸収合併することに決定。

新党名は国民から一般募集を行い、「民進党」が誕生することになりました。

民進党

2016年3月、民主党に維新の党・改革結集の会の一部・無所属議員も参加し、民進党が誕生しました。

2017年9月、第48回衆院選の直前に希望の党に合流し、希望の党の公認候補を立てる計画を立てていた民進党ですが、実際には希望の党へ合流しない候補者が続出。希望の党からも一部の候補者には合流を拒否されました。

希望の党から立候補をしなかった・できなかった候補者は、10月に枝野幸男氏主導で結党した立憲民主党へ合流して立候補したり、民進党に党籍があるまま無所属で立候補したりと、民進党所属者はさまざまな形で第48回衆院選に挑むことになりました。

衆院選後は希望の党への合流方針を撤回。

旧民進党系の再結集を模索し、希望の党の一部が合流に応じたため、国民民主党に党名を変更しました。

なお、法規上は旧民主党~民進党までが同一団体となります。

立憲民主党(2017年~2020年)

2017年10月、第48回衆院選で希望の党から合流を拒否された議員の受け皿として、民進党の代表代行を務めていた枝野幸男氏が立憲民主党を結党しました。

第48回衆院選では希望の党を上回る議席を獲得し、衆議院で野党第一党となりました。

政党としては残っていた民進党にも合流せず、民進党に希望の党が合流した国民民主党にも合流しない路線を貫きました。

ところが立憲民主党は2019年の参院選で伸び悩みます。

2020年には、国民民主党と合流し新党結成をする流れができました。9月には合流新党へメンバーが集まり、代表には枝野幸男氏が選出され、党名は「立憲民主党(2020年~現在)」に決定しました。

このときの立憲民主党は、現在の立憲民主党と対比して「旧立憲民主党」と呼ばれることもあります。

国民民主党(2018年~2020年)

民進党と希望の党が合流し、2018年に「国民民主党」が誕生しました。後に小沢一郎氏率いる自由党の一部とも合流。

2019年の参院選の結果を受け、立憲民主党(2017年~2020年)は合流路線に向かいます。国民民主党とも念入りに協議を行い、お互いが解党して新党を作る方向で合意しました。

このときできた新党が「立憲民主党(2020年~現在)」です。

2020年9月に誕生した立憲民主党(2020年~現在)には、国民民主党(2018年~2020年)の議員の62人中40人が参加。

法規上は民主党(1996年~1998年)→民主党(1998年~2016年)→民進党→国民民主党(2018年~2020年)と続いてきた政党の歴史にも幕が降ろされました。

また、立憲民主党(2020年~現在)に不参加となった玉木雄一郎氏を中心に作られた新党が現在の「国民民主党(2020年~現在)」です。

このときの国民民主党は、現在の国民民主党と対比して「旧国民民主党」と呼ばれることもあります。

立憲民主党(2020年~現在)

2020年9月、旧立憲民主党・旧国民民主党・その他議員が合流することで立憲民主党(2020年~現在)が結党されました。代表には旧立憲民主党に引き続き、枝野幸男氏が選出されました。

2021年10月の第49回衆院選では比例で議席を減らし、枝野氏は代表を辞任。2021年11月に代表選挙が行われ、逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏が立候補。第1回投票で過半数を獲得した候補はおらず、1・2位となった泉氏、逢坂氏で決選投票が行われ、泉健太氏が新代表に選出されました。

関連:立憲民主党代表選・泉健太氏インタビュー「『党の理念、魅力を全面に押し出していきたい』という声を受けて立候補を決意」

民主党からの変遷まとめ

立憲民主党のルーツとなった民主党、民進党、旧・立憲民主党、旧・国民民主党について振り返ってみました。

略図

民主党(1996年~1998年)

民主党(1998年~2016年)

民進党

│  └────旧・立憲民主党

旧・国民民主党    │

└────┬─────┘

 立憲民主党(2020年~現在)

第48回衆院選前後から怒涛の勢いで人の移動があったものの、現在も国会での野党第一党である立憲民主党。新代表のもと、今後どのような政策や主張を国民に示していくのでしょうか。

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