伝統工芸の読谷山花織 後継者育成で3人修業 染織や織り、次世代へ

 【読谷】国の伝統的産業工芸品にも指定されている読谷山花織を次世代につなごうと、生産販売を行う読谷山花織事業協同組合(島袋悦子理事長)は2021年度の後継者育成を行っている。現在村内に在住する3人の生徒が、技術を受け継ごうと日々修行中だ。
 本年度の後継者育成は8月から始まった。来年1月まで行う予定。生徒は糸の染色から図案作成、織りなどの一連の工程を全て習得する。村内の工房から2人の織り手が講師となり、指導している。
 生徒は村内在住が条件。読谷村で生まれ育った生徒の玉城夏恵さん(45)=村渡慶次=は「気が付けば身近なところに読谷山花織があった。味がある花織で魅力的。一生続けられる手仕事だ」と話す。
 生徒らは来年1月に卒業した後、村内の工房で織り手として従事する。今後は工房の先輩から技術を習得し、作品制作を行う。楚辺工房に所属する講師の池原栄子さんは「(生徒らが)ここまで成長して素晴らしい。無理せず長く携わってほしい」と激励した。
 (石井恵理菜)

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