DeNA大和がFA権行使し残留「優勝できていない」〝選手育成手腕〟にも期待

会見を行ったDeNA・大和(東スポWeb)

DeNA・大和内野手(34)が1日、横浜市内で会見し、今季取得した海外FA権を行使してチームに残留することを表明した。球団からは年俸9000万円の2年契約を提示され、この日更改。チーム最年長のベテランは会見の席上で「今回FA権を行使し残留することを決意しました」と開口一番に述べ、決断した理由について問われると「ベイスターズに来て優勝したいという気持ちがまだまだ消えていないし、その目標が達成できていない」と胸の内を明かした。

プロ16年目のシーズンとなった今季は106試合に出場し、打率2割5分2厘、2本塁打、26打点。チームは6年ぶりの最下位に沈む屈辱も味わった。「野球人生の中で最下位という経験をしたこともなかったですし、そういう意味では悔しさもあるが、勝つ難しさも経験できた。自分は日本一も、(リーグ)優勝も経験していない。そういう部分を皆で味わいたいという思いもある」と今季を振り返り、あらためて来季へ向けた〝リベンジ〟を誓った。

阪神から2017年オフにFA移籍し、DeNAでは今季4年目となった。ベイスターズの一員となって以降、自身の「野球観」と「立ち位置」は大きく変わっていったという。「野球を深く考えるようになった。その中でまだまだ考え方が甘かったなという部分も気付けた。どちらかというとタイガースにいる時は上の人に頼ってばかりいたが、ベイスターズに来ると年齢も上になってどうしても頼られる立場になるので中途半端なこともできない」。

二塁、遊撃のポジションにはそれぞれ新人の牧、高卒2年目の森らが台頭。チーム最年長のベテランも来季定位置争いを繰り広げることになるが「まだまだ老け込む年齢ではない。ゲームに出たら結果を出すだけです」と力強く言い切っており、負けるつもりはない。

球団内でも大和の残留に関しては〝大歓迎モード〟だ。チームスタッフからも「二遊間、中堅も守れ、勝負強い打撃も持ち味の大和の残留は大朗報。戦力としてはもちろんのこと、ユーティリティープレーヤーとして攻守の両面で森や牧ら若手陣、あるいは柴田や倉本らへの〝アドバイザー兼コーチ役〟としても間違いなく大きな力になる」との声が沸き起こっている。

実際に大和も、この日の会見で「ベンチで見る機会も今年はたくさんあった。選手名は出さないが、いろんなアドバイスもできた」とコメントしている。ベテランとして〝選手育成〟の面でも、その手腕に期待がかかりそうだ。

(金額は推定)

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