早朝の平戸に響く「あんもーちヨイ」 師走入り知らせ 子どもら、あん餅売り歩く

夜明け前の暗い街中であん餅を市民に売り歩く子どもたち=平戸市職人町

 長崎県平戸市に師走入りを告げる伝統行事「あんもちよい」が1日早朝、市中心街であり、子どもたちが元気よく「あんもーちヨイ」と声を上げて、あん餅を売り歩いた。
 江戸時代から300年以上続くとされる行事。「夜明け前に餅を食べると水難を免れる」「商家の跡継ぎに商いの要領と早起きの習慣を身に付けさせようとした」などの言い伝えがある。
 同市魚の棚町の菓子店「菓子処 津乃上」が行事のためのあん餅を用意。地元の運動クラブなどが仕入れて、まだ暗い街で掛け声を響かせながら練り歩くと、住民が玄関先で呼び止めたり、車で駆け付けたりしてあん餅を購入した。
 少年サッカーの「比良戸FC」は保護者も合わせ約30人が参加。市立田助小6年の鋒屋照喜君(12)は「みんな、大きな声で呼び掛けができた」と話した。売り上げの一部は活動費などに充てる。

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