過去には〝ロビー活動〟も…!? 巨人・岡本和が「悲願成就」のゴールデングラブ賞受賞

悲願成就!(東スポWeb)

悲願成就! 守備のスペシャリストに贈られる「三井ゴールデングラブ賞」が2日に発表され、巨人・岡本和真内野手(25)が三塁手部門で初受賞した。打撃だけでなく年々守備にも磨きをかけ、プロ7年目でついにつかみ取った栄冠。本人は現状にまだまだ満足していないが、今回に関してはかつての冗談とも本気ともつかない〝ある活動〟を完全封印しての受賞だった――。

文句なしの受賞だ。今季は初めて「4番・三塁」として全143試合に先発出場。守備率は三塁手部門で12球団トップとなる9割8分8厘をマークし、失策数もリーグ最少の「4」だった。堅実な守備でチームの危機を何度も救い「292票」の有効投票数のうち「188票」を集め、次点のDeNA・宮崎(37票)に大差をつけての受賞となった。

本塁打と打点の打撃2冠と合わせ、晴れて「攻守3冠」に輝いた岡本和は「現役のうちに一度は取りたいと思っていた賞ですし、評価していただけたことがすごくうれしいです。それでも、まだまだヘタクソなので、これからもしっかりと練習して頑張ります」と喜びをあらわにした。

もちろん、平坦な道のりではなかった。入団当初の三塁には村田修一(打撃兼内野守備コーチ)が分厚い壁として仁王立ち。レギュラーに定着できなかった岡本和は左翼や一塁を転々とした。それでも、キャンプだけでなくシーズン中も地道に努力を重ね、メキメキと腕を上げてきた。

だが、それでも上には上がいた。宮崎や中日・高橋周ら他球団のライバルにハネ返されて受賞には至らなかった一方、キャリアを重ねるごとに投票システムも徐々にマスター。プロ野球の現場で5年以上の取材経験がある記者に投票資格があることなどをインプットし、以前は巨人の番記者たちを前に「皆さん、よろしくお願いします」と意味深に頭を下げてみたり「誰に投票したか調査しますからね」と本気かどうかも分からない〝駆け引き〟を演じてみたり…。

つかみどころがない岡本和らしい過去の〝ロビー活動〟はすべて水の泡となったが、今年は投票の期日が迫っても〝票固め〟のような動きは一切なかった。11月下旬にも報道陣を前に、最後の追い込みをかける機会はあったものの「全部まだまだだと思っているので。しっかり練習していきたい」と殊勝な発言に終始していた。

まさに実力で勝ち取った正真正銘、念願のゴールデングラブ賞。今後も巨人のホットコーナーは誰にも譲らず、打って守って来季こそチームを頂点へ導く。

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