栃木県「一家族一旅行」延長へ 年明けから隣県民も対象に

栃木県庁

 福田富一(ふくだとみかず)知事は2日の栃木県議会代表・一般質問で、県内の宿泊や日帰り旅行代を割り引く第2弾の「県民一家族一旅行」事業について、今月末までとしていた期間を延長し、年明けからは隣県からの旅行者も対象に加える方針を表明した。新型コロナウイルスの「第6波」対策としては、一定の条件を満たせば無症状でもPCR検査を無料で受けられる検査場を今月内に設置する考えも明らかにした。

 政府の経済対策や感染防止策に呼応した取り組みで、12月通常会議に関連の補正予算案を提出する。

 一家族一旅行事業はコロナ禍で客足が落ちた県内宿泊施設の利用を促すため、2020年度に初めて実施。第5波の収束を受けて、10月に第2弾が始まった。

 県観光交流課や県財政課によると、事業の対象拡大に向けて福島と茨城、群馬、埼玉の4県と協議している。第2弾で約20万泊分を予定していた割引枠は拡大する見通し。期間の延長幅は現時点では未定という。

 新型コロナのPCR検査は現在、発熱などの症状がある場合や濃厚接触者で、医師や保健所が必要と判断した際は検査が無料だが、自主的に検査した場合は有料となっている。

 県感染症対策課によると、無料化の対象とするのは健康上の理由などでワクチン接種が受けられない人。感染拡大の傾向がある場合、知事の判断で無症状者への検査も無料で行えるようにする。事前予約は不要とする方針。同課の担当者は「月内に少なくても1カ所の検査場を設置できるようにしたい」と話した。

 また、自宅療養者らの急変に備えて、県内に5カ所最大計100床を設ける臨時医療施設について、県はコンテナや既存施設の活用を検討中だと説明した。

 福田知事は「新たな変異株による感染再拡大も懸念されている。医療逼迫(ひっぱく)が生じない水準に感染を抑え、社会経済活動との両立を図れるように対策に万全を期す」などと述べた。

 小林幹夫(こばやしみきお)氏(とちぎ自民党議員会)、野澤和一(のざわかずいち)氏(公明党議員会)が質問した。

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