マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(48)が千葉・千葉明徳で2日間の指導を行った。先月29日の国学院久我山に続いての訪問指導。理事長からの「夏大会ベスト8の壁を越えたい。選手たちの人間としての成長のため、一緒にプレーしてほしい」とラブコールにこたえる形で実現し、部員63人に熱血指導した。
3日の午後1時すぎ、自らの草野球チーム「KOBE CHIBEN」のTシャツ姿で現れたイチロー氏はグラウンドでランニングを開始。岡野監督やコーチに練習のメリハリの大切さを話した後、選手に走塁練習を実演してみせた。フリー打撃では多く生徒が輪になってケージ周辺で見守り、するどい打球に感嘆の声が上がる。最後に本塁打が飛び出すとイチロー氏は両手を上げて「うれしい~」と声を上げ、拍手喝采となった。
約4時間の練習を終え、生徒に「この冬を越して春、どうなっているかを注目しています。高校生はひと冬で変わる。きっかけをつかめば冬とは違う選手になるから」と話し、練習で使った自らの黒いバットを持って「これを握って振って思い出すでしょう。プロ選手の中でも最高のバットです。置いて帰るのでしんどくなってもこれを見て、思い出してくれれば」と話したイチロー氏。今回の指導が成長のきっかけになることを願った。