「選手寿命は領収証の中身で分かる」金遣い激変…税理士の予感的中した戦力外

税理士が語るプロ野球選手の“領収証の中身”

渡される領収証の山…中には恋人へのプレゼント代やキャバクラ代も

成績を残せば、年俸が数倍にも跳ね上がるプロ野球の世界。かつては派手なイメージもついて回ったが、トレーニングや体調管理に投資する選手は少なくない。チームに所属しているとはいえ、個人事業主。選手の確定申告などを請け負う税理士は、お金の使い方が現役生活の長さを左右する現実も見てきた。

必要経費の計上など、税務関係は専門家に任せている選手が大半。ツテがない場合には、球団を通じて紹介を受けるケースもある。これまで多くの選手を担当してきたある税理士によると、選手から受け取る報酬は決して高くないという。年俸によって多少の差があるが「仕事としてはほぼ儲けがない。その選手を応援したいという人情でやっている感じです」と話す。

領収証の山を受け取り、聞き取りをしながら内容を精査。ただその時点で、選手に大きな差が出るという。「きっちりした選手は、最低限の勉強をしている。自分で必要経費かどうか判断して持ってきてくれます」。逆にそうでない選手は、分別するのが面倒で一緒くたに。中には、恋人へのプレゼント代やキャバクラ代、家族旅行費用などが混じっている場合もあり、税理士側で都度取り除くことになる。

記された金額や内容は、グラウンド外での過ごし方をモロに表す。「金銭感覚が突然変わる選手もいます。夜の会食やタクシー移動などが圧倒的に増えると、プレーに支障が出ているのではないかと、自己管理の面で心配になります」。ただ、顧客である選手に対して強く諭すことは難しいという。

税理士が語るプロ野球選手の“領収証の中身”

年代によって領収証の“質”に差が出ることも「大卒・社会人の方が…」

自分で稼いだお金を何に使うかは自由。ストレス解消やモチベーションアップのために散財することを否定はしない。ただ、“遊び”の比重が目に見えて増えたことで、成績が下降線になったケースは1度ではない。その先に待っていたのは、球団からの戦力外通告。「全てが当てはまるわけではないですが、領収証の中身を見ていると選手としての寿命が分かってしまう時がある」。他人事では捉えられないだけに、もどかしい思いを抱える。

金銭感覚は個人の価値観や考え方次第だが、年代によって差が出ることも。まだ未成年の高卒と、すでに結婚している場合もある社会人とでは違って当たり前で「やっぱり大卒・社会人の方が、領収証の“質”という面ではいいですね」とも。「ただ、若いうちからしっかり考えている選手がいるのも確かです」と補足も加える。

やはり、傾向として見てきたのは「長く活躍する選手ほど、自分の体に投資しています」。戦力外になるのは自己責任だが、ファンの期待を背負っているのも確か。球団によっては契約更改を迎えている時期。お金との向き合い方は、一流へのピースのひとつであることには間違いない。(Full-Count編集部)

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