フェラーリ育成のアームストロングがF2キャリア初優勝。佐藤万璃音はリタイア【FIA-F2第7戦サウジアラビア レース1】

 12月4日(土)、2021年FIA-F2第7戦サウジアラビアのスプリントレース1(決勝レース1)がジェッダ・ストリート・サーキットで開催され、マーカス・アームストロング(ダムス)がF2キャリア初優勝。佐藤万璃音(トライデント)はリタイアだった。

 周回数は20周。陽が傾きつつあるジェッダ市街地の天候は晴れ、気温29.7度、路面温度39.6度。路面はドライでタイヤ交換の義務はない。

 予選トップ10にリバースグリッドが適用されるレース1ではリアム・ローソン(ハイテックGP)がポールスタートに。2番手はマーカス・アームストロング(ダムス)、3番手にユーリ・ビップス(ハイテックGP)、4番手はラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)、佐藤は17番グリッドから発進する。

 日本時間21時30分にフォーメーションラップが始まり決勝レース1がスタート。ターン1でローソンがオーバーシュートしアームストロングがトップに浮上、ローソンは2番手を維持する。後方では佐藤がターン1手前でギリェルメ・サマイア(チャロウズ・レーシング・システム)に追突され、左側ウォールにマシンをヒットさせ万事休す。2台は早々にレースから離脱しセーフティカー(SC)となってしまった。

 ストップしたマシンが引き上げられレースは4周目から再開。最終コーナー手前から加速を開始したアームストロングがターン1を制しローソンが2番手、以下ボシュング、ビップスという順でレースが順調に進んでいくかと思われた矢先、後方で数台が接触。来季アルファロメオからF1デビューが決まった周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がスピンし最後尾に後退する。

 バーチャル・セーフティカー(VSC)が一時的に掲示されるも直後にレース再開。10番手を争うダニエル・ティクトゥム(カーリン)とベント・ビシュカール(トライデント)がホームストレートでサイドバイサイドの熱い戦いを演じ、一方トップ4のオーダーは変わらず周回数を消化していく。

 10周目、3番手が入れ替わる。ホームストレートでDRSを使いローソンがボシュングを交わし表彰台圏内へと浮上。また6番手を争っていたロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)がクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)を抜き、12周目にはボシュングも抜いて5番手に。しかしシュワルツマンはコース外走行で順位を上げたとして後に5秒加算ペナルティを科されることになった。

 14周目、ポイントランキングリーダーのオスカー・ピアストリ(プレマ・レーシング)が8番手まで順位を上げた直後、テオ・プルシェール(ARTグランプリ)がトラブルでマシンをコース脇に停止。リタイアとなりマシン撤去のために2度目のVSCが導入されSCへと切り替えられトップ2の1.7秒差がリセットされた。

 レースは18周目から、アームストロング、ローソン、ビップスというオーダーでリスタートされることに。後方を牽制しながら加速のタイミングを伺うアームストロング、背後にピタリとつけるローソンという構図だ。

 レース再開直後のターン1でローソンがマシンを横に出してアームストロングのインに飛び込もうとするも接触すれすれでトップ交代ならず。後方では8番手のユアン・ダルバラ(カーリン)が2台を交わして6番手に浮上し、これがこのレース最後の追い抜きに。

 アームストロングが今季初優勝を飾り、ハイテックの2台、ローソンとビップスがツー・スリーフィニッシュで表彰台を確保した。ポイントランキングは9位フィニッシュで無得点のピアストリが182ポイント。こちらも無得点だった周は142点の2番手、6位フィニッシュのシュワルツマンが141点の3番手となっている。

 レース2は日本時間12月5日(日)の午前3時40分からスタートする。

【追記】
 レース後、5位フィニッシュしたダルバラに対しコース外走行によるポジションアップがあったとして5秒加算ペナルティが課され10位となった。これによりシュワルツマン、ルンガー、ティクトゥム、ピアストリ、ビシュカールの順位がそれぞれ繰り上がりとなっている。

■FIA-F2第7戦サウジアラビア スプリントレース1(決勝レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 17 M.アームストロング ダムス 20LAP

2 7 L.ローソン ハイテックGP 0.563

3 8 J.ビップス ハイテックGP 2.044

4 4 F.ドルゴヴィッチ ユニ・ヴィルトゥオーシ 2.826

5 1 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 8.278

6 9 C.ルンガー ARTグランプリ 8.377

7 5 D.ティクトゥム カーリン 8.452

8 2 O.ピアストリ プレマ・レーシング 8.613

9 24 B.ビシュカール トライデント 10.468

10 6 J.ダルバラ カーリン 10.484

11 11 J.ドゥーハン MPモータースポーツ 10.566

12 14 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 10.965

13 16 R.ニッサニー ダムス 12.977

14 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 13.104

15 21 R.ボシュング カンポス・レーシング 14.332

16 22 L.サージェント HWAレースラボ 15.308

17 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 17.343

18 20 O.コルドウェル カンポス・レーシング 24.652

— 10 T.プルシェール ARTグランプリ DNF

— 23 A.デレッダ HWAレースラボ DNF

— 25 佐藤万璃音 トライデント DNF

— 15 G.サマイア チャロウズ・レーシング・システム DNF

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