V長崎 最終戦勝利で玉田の花道飾る 植中2桁得点達成

【松本-V長崎】後半、相手と競り合うV長崎の玉田=長野県松本市、サンプロアルウィン

 いまやV長崎の中心選手に成長した毎熊がキャプテンマークを巻き、先制点の植中は高卒2年目ながら今季10ゴールに到達。引退する玉田の花道を飾るにふさわしい華やかな最終節となった。5月の就任以降、連敗なしで2021年シーズンを走りきった松田監督から「ほっとしている」と安堵(あんど)のため息が漏れた。
 堅守を崩さず、相手ウイングバックが攻撃参加して生じたスペースを素早く突く。決まり事を徹底して2点を先行した。ミスで1点差に詰め寄られると一気に劣勢に回ったが、鍬先やウェリントンハットが中盤で泥くさくハードワークを繰り返し、GK富澤は窮地の好セーブでもり立てた。
 後半34分からピッチに入った玉田の存在も欠かせない。抜群のキープ力でV長崎に再び攻撃のリズムをもたらすと、ロスタイムには左右のCKで惜しい場面をお膳立て。終了間際、左足で放った強烈なシュートを置き土産に、23年の現役生活にピリオドを打った。
 リーグ屈指だった今年のメンバーで戦えるのもこれが最後。プロ2年目の毎熊は「自分がすごいから成長したんじゃない。周りの選手がすごくて、いろんなことを教わって成長させてもらった」と仲間への感謝を口にし、20歳の植中は「来季につながる収穫はあった」と飛躍のシーズンを振り返った。


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