40年以上前から市道に民有地 長崎市議会建設水道委 副市長、落ち度認め陳謝

 長崎市は、6日の市議会建設水道委員会で、油屋町の市道(歩道)に40年以上前から民有地が含まれ、市道として登記されていないことを明らかにした。民有地は約28平方メートルで、固定資産税は公衆用道路として非課税扱いとなっているが、資料が現存せず、買収の有無は不明。髙宮茂隆副市長が出席し、市側の落ち度を認めて陳謝した。
 登記簿上の名義人の一人の夫、鳥居丈平さん(74)=同市新地町=が、固定資産納税通知書の土地面積が、登記簿謄本記載の面積より狭いことに気づき、昨年2月に市に問い合わせて発覚。土地の買い取りなどを求める陳情書を市議会に提出していた。
 市土木総務課によると、市は1964~66年、市道整備のため、油屋町周辺の土地を買収。市道は74年に供用が開始された。当該民有地は67年から固定資産税が非課税となっているが、経緯は分からないという。
 また市は、同様に市道敷地内に、固定資産税が非課税の民有地が5926カ所あることも報告。寄付による土地の提供を求め、解消を図っているという。
 委員からは市の対応について「職務怠慢」「不誠実」などと批判が集中。裁判所に判断を委ねたいとする市の姿勢にも疑問の声が上がった。髙宮副市長は「今回の議論も踏まえ、顧問弁護士と協議し、1日も早い解決を目指したい」と述べるにとどめた。
 また髙宮副市長は、説明を求めた鳥居さんに対し、机をたたくなど威圧的で不適切な対応をしたとして、用地課職員1人を書面による厳重注意にしたことも報告。合わせて陳謝した。


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