コロナ破たん、全国で累計2,570件【12月7日16:00 現在】

 12月7日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が2件判明、全国で累計2,439件(倒産2,327件、弁護士一任・準備中112件)となった。
 月別では、2021年に入って2月以降、100件超えが続き9月、10月と2カ月連続で最多を更新した。
 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除後もコロナ破たんが減少する気配はみられず、11月も169件が判明し、3カ月連続で月間最多を更新した。12月も7日時点で52件と、高いペースが続いている。
 倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計131件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で2,570件となった。
 国内の新規感染者は沈静化が続き、消費関連企業を中心に需要回復への期待が高まっている。ただ、変異ウイルス「オミクロン株」の水際対策で、入国制限が続くなど流動的な情勢が続いている。サービス産業にとってはかき入れ時となる年末年始を控え、影響も懸念される。
 岸田首相は6日、所信表明演説のなかで2.8兆円規模の事業者向けの給付金を軸に、事業復活に向けた取り組みを後押しするとした。このほか金融機関によるリスケなどの企業支援も継続するとみられるが、業績不振が長期化し過剰債務の問題も浮上している。コロナ関連破たんは息切れ型による脱落を中心に、引き続き高水準で推移する可能性が高まっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~30件以上が23都道府県~

 都道府県別では、東京都が526件(倒産507件、準備中19件)に達し、全体の2割強(構成比21.5%)を占め、突出している。以下、大阪府251件(倒産246件、準備中5件)、神奈川県120件(倒産117件、準備中3件)、福岡県119件(倒産109件、準備中10件)、愛知県118件(倒産117件、準備中1件)、兵庫県112件(倒産104件、準備中8件)、北海道89件(倒産86件、準備中3件)と続く。
 7日は埼玉県、石川県で各1件判明した。10~20件未満が14県、20~30件未満が7県、30件以上は23都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~飲食が最多の424件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で424件に及ぶ。これまで緊急事態宣言の対象となっていた地域では休業や時短営業、酒類提供の制限などで経営体力の消耗が懸念され、飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が246件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の198件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が113件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が104件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した2,405件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の909件(構成比37.7%)、次いで1億円以上5億円未満が780件(同32.4%)、5千万円以上1億円未満が442件(同18.3%)、5億円以上10億円未満が143件(同5.9%)、10億円以上が131件(同5.4%)の順。
 負債1億円未満が1,351件(同56.1%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型破たんも6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した2,327件の形態別では、破産が2,075件(構成比89.1%)で最多。次いで民事再生法が107件(同4.5%)、取引停止処分が100件(同4.2%)、特別清算が33件、内整理が11件、会社更生法が1件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した2,327件の従業員数の合計は2万4,451人にのぼった。
 2,327件の内訳では従業員5人未満が1,322件(構成比56.8%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が453件(同19.4%)、10人以上20人未満が288件(同12.3%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、7月以降も12件発生している。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

コロナ破綻地図(1207、1000万円以上)

‌               (負債1,000万円以上)                  

コロナ破綻地図(1207、1000万円未満)

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

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