平木湧也&玲次のHELM MOTORSPORTSが2022年スーパーフォーミュラ・ライツ参戦を目指す

 12月6〜7日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の合同テスト。このテストには、シーズンには参加していなかった新たなエントラントが登場した。2020年に平木湧也、平木玲次の兄弟が立ち上げたHELM MOTORSPORTSだ。チームは2022年のスーパーフォーミュラ・ライツ参戦を目指しているという。

 茨城県出身の平木湧也と玲次の兄弟は、レーシングカートを経て、ジュニアフォーミュラではル・ボーセモータースポーツで育ってきたレーシングドライバー。2019年に活動を終えたル・ボーセ・モータースポーツのファクトリーとカーナンバー『62』を引き継ぎ、茨城県の地域密着型チームというコンセプトを掲げ、FIA-F4、スーパー耐久で活躍してきた。

 さらにチームの活動の一方で、湧也と玲次は2021年にスーパーGT GT300クラスでともにマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号をドライブ。今まであまり例がなかった兄弟での参戦を果たした。また、20年オフには玲次がスーパーフォーミュラ・ライツのテストに参加していた。

 そんなふたりが、HELM MOTORSPORTSのエントラント名で12月6〜7日に鈴鹿で行われたテストに参加した。6日午前の走行を走った後、「5年ぶりのフォーミュラでした(笑)」という湧也に聞くと「クルマが来たのもテストの2週間くらい前で、そこからメカニックさんたちが毎日徹夜くらいの勢いで組んでくれました。鈴鹿に来る前に、30分間だけもてぎのスポーツ走行で走れましたが、今日も『エンジンかかるかな?』という確認くらいでした」とタイトなスケジュールでのテスト参加だったことを明かした。

「実質初日で、セッティングも何もデータがなく、ゼロから始めている感じです」という状態で、1日目午後は湧也が走れなかったほか、タイムもまだ上位陣とは差がある状態。さらに「ここは各チームで作らなければならなかったらしくて……。今後作りますけど、間に合いませんでした(苦笑)」とエアインテーク部のエンジンカウルもない状況だったが、それでも2日間3セッションのテストをこなした。

 このテストを経て、HELM MOTORSPORTSでは2022年のスーパーフォーミュラ・ライツ参戦を目指しているのだという。2台体制で、もちろんドライバーは湧也と玲次だ。「無謀な挑戦かもしれませんが、やってみようと思っています。2台のクルマとエンジンが使えるのでチャンスですから」と湧也。FIA-F4やスーパー耐久も並行して続けていくつもりとのことで、2022年はチームにとっても多忙な一年になるのかもしれない。

 HELM MOTORSPORTSがこのまま体制を構築し、2022年のスーパーフォーミュラ・ライツ参戦を果たすことができれば、全日本F3時代の2015年以来、ひさびさにシリーズにカーナンバー『62』が帰ってくることになる。湧也と玲次の飽くなき挑戦を楽しみにしたいところだ。

HELM MOTORSPORTSから参加した平木玲次と平木湧也
平木玲次(HELM MOTORSPORTS
平木湧也(HELM MOTORSPORTS
平木湧也(HELM MOTORSPORTS

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