角田裕毅、ホンダF1ラストレースにスペシャルヘルメットで挑む「夢を与え続けてくれたことに感謝。最後まで共に戦う」

 2021年F1最終戦アブダビGPが、12月10~12日に開催される。アルファタウリ・ホンダの角田裕毅にとっては、ルーキーイヤー最後の一戦となる。また、レッドブルとアルファタウリにパワーユニット(PU)を供給し、角田の活動を支え続けたホンダは、このレースを最後にF1活動を終了する。

 前戦サウジアラビアGPで、角田は予選8番手を獲得、好位置から決勝をスタートした。一時はポジションを下げながら、入賞圏内に復帰していたものの、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)と接触し、マシンにダメージを負って後退、14位という結果になった。

「僕にとっては本来行けたはずの結果にはなりませんでしたが、サウジアラビアのコースは、みんなが予想していたようにエキサイティングなレースを演出しました」と角田はチームのアブダビGPプレビューリリースのなかでコメントしている。

「高速でウォールの近いこのコースをドライブするのが大好きになりました。レースでは、かなりいいペースでしたが、ベッテル選手をオーバーテイクするときに、もっと慎重になるべきでした。ルーキーとしてのシーズンで、また新たな学びになりましたが、現状のドライビングにはとても満足しています」

2021年F1第21戦サウジアラビアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

 角田は、ヤス・マリーナ・サーキットでは、約1年前の2020年F1ヤングドライバーテストで走行した経験があるが、コースは今年の開催に向けて、いくつか変更がなされた。しかし適応には問題ないと、角田は言う。

「アブダビでレースをしたことはありませんが、F1マシンでの走行は、昨年末のヤングドライバーテストの経験があります。そのテストはとてもうまくいったことを、今でも覚えています。それ以前にもF1マシンのドライブは経験しましたが、そのシーズンを戦った現行マシンでは初めてでした。とてもエキサイティングな経験で、特にガレージを出ていくときは胸が高鳴りました」

「ただ、今年はオーバーテイクをしやすくするため、かなり大きなレイアウト変更があるので、全員にとって新たに学ばなければならないことがあります。第一印象はより高速で、流れるようなレイアウトになっていると思うので、昨年と同じタイヤでも消耗がどうなるのかなど、どんな影響があるのか楽しみです。コースは大きく変わりますが、過去の経験からどんな感じなのかは分かっているつもりです。適応は楽になるはずなので、チャンスを最大限に活かし、できるだけ多くのポイント獲得を目指します。ルーキーとして走るのは最後になるので、そのレースを楽しみたいですし、できるだけいい位置でシーズンを終えたいと思います」

 2021年アブダビGPは角田をサポートするホンダにとって、F1でのラストレースになる。そのホンダへの感謝の気持ちを込めて、角田はスペシャルデザインヘルメットを使用する。ホンダがF1に参戦した年を示し、「ありがとう」の文字の入ったデザインだ。

2021年F1第22戦アブダビGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のホンダトリビュートデザインのヘルメット
2021年F1第22戦アブダビGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のホンダトリビュートデザインのヘルメット
2021年F1第22戦アブダビGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のホンダトリビュートデザインのヘルメット

 角田は自身のSNSを通して、次のようにコメントしている。
「ついにホンダラストレース。僕だけじゃなく世界のドライバーたちに夢を与え続けてくれて本当に感謝しています。2017年からホンダさんの大きなサポートの上ここまでこれました。最後のレースもチームホンダと共に戦います!」

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