フライを「顔の前で捕る」は間違い? 正しい捕り方を身につけるオススメ練習法

埼玉西武ライオンズ・レディースの小林夕衣さん【写真:編集部】

グラブは顔の正面ではなくやや斜め前で構えたい

日々のトレーニングで差をつけたい。そんな野球少年たちのためにFirst-Pitch編集部が様々な指導者さんの取材を通じて知ることができた練習方法を紹介します。今回のテーマは「外野フライの捕り方」。一見、簡単そうに見えますが実は難しいプレーの1つです。

【実際の映像を見る】フライが難しいと感じる子へお勧めの練習方法 ノックバットを使わない「手投げ捕球」

小学生の試合でよく見かける外野フライの落球。上手に捕るポイントは「捕る時のグラブの位置」と「打球の見方」にあります。少年野球の現場では「顔の前でボールを捕れ」という指導を見かけることがありますが、そうした場合、グラブでボールが見えなくなってしまう可能性があります。

プロ野球で外野手として10年以上プレーしたある選手は「ボールを横から見ることで、ミスが少なくなる」と言います。社会人野球で複数回外野手のベストナインを受賞したある選手からは「顔の前の斜め45度くらいの位置にグラブを構えて捕るとボールを見失いにくい」と聞いたことがあります。

ボールが見えなくなってしまっては、打球の距離感が分からなくなります。顔の正面ではなくやや斜め前にグラブを構えることで、打球の軌道を客観的に捉えられるようになり距離感が掴みやすくなります。この捕り方を身に付けるために少年野球チームにお勧めする練習は「手投げ捕球」です。

お勧めの練習方法はノックバットを使わない「手投げ捕球」

ノッカーはノックバットを置いて、ボールだけを持ちましょう。次に約30メートル離れたところから、選手たちをノッカーに向かって全力疾走させてください。ノッカーは走ってくる選手たちに向けて、適当なタイミングでボールを投げてください。選手たちには横からボールを見るよう意識させ、自分の顔の斜め前で捕球する指示を出してあげてください。外野ノックを行う前にこの練習を行っておけば、自然とフライへの捕球の入り方が変わってきます。

ノックをたくさん受けることも大切です。外野フライは天候の影響を受けやすく、走りながら捕ることが多いです。回数を重ねることで、風で打球が流されることや日差しが目に入ること、走ることで捕球までに目線が上下してしまうことに慣れるため、様々な打球を捕ることも大切です。

グラウンドが狭く、外野ノックができない場合には「手投げ捕球」をやって、打球を横から見る習慣付けだけでもしておきましょう。それだけでも、試合でのミスを少なくすることが期待できます。家でも同様に、スポンジボールなど使って顔の斜め前でグラブを構えて捕球する練習をすれば、打球を横から見るクセ付けができます。ぜひ「手投げ捕球」で練習して外野フライの捕球時のグラブの位置と打球の見方を覚えましょう。

【実際の映像を見る】フライが難しいと感じる子へお勧めの練習方法 ノックバットを使わない「手投げ捕球」

【実際の映像を見る】フライが難しいと感じる子へお勧めの練習方法 ノックバットを使わない「手投げ捕球」 signature

(記事提供:First-Pitch編集部)

【実際の映像を見る】フライが難しいと感じる子へお勧めの練習方法 ノックバットを使わない「手投げ捕球」

「甲子園出場」と「東大合格」を果たした球児の“共通点”は? 野球部前監督の分析

軟式、硬式どちらにすべき? あまりに多い“中学野球”の選択肢と特徴を紹介

© 株式会社Creative2