新天地で活躍するのは難しい? 今季は井納が大苦戦、近年のFA移籍選手の成績は…

巨人・梶谷隆幸(左)と井納翔一【写真:荒川祐史】

今オフは中日・又吉がFA宣言、西武・岡田、DeNA・大和がFA権を行使し残留

ヤクルトが20年ぶりの日本一に輝き、幕を閉じた2021年のプロ野球。来季を見据え各球団は戦力補強を行うストーブリーグに突入しているが、今オフにFA権を行使したのは中日・又吉克樹投手、西武・岡田雅利捕手、DeNA・大和内野手の3人。岡田、大和は宣言残留し移籍の可能性があるのは又吉だけとなっている。

近年、FA権を行使して他球団に移籍した選手は新天地でどれだけの活躍を見せたのか? ここでは過去3年間のFA移籍選手の前後の成績を見ていこう。

【2018年オフ】

・西勇輝(オリックス→阪神)
2018:25試合10勝13敗0S0H 3.60
2019:26試合10勝8敗0S0H 2.92

・丸佳浩(広島→巨人)
2018:125試合432打数132安39本97点 .306
2019:143試合535打数156安27本89点 .292

・浅村栄斗(西武→楽天)
2018:143試合565打数175安32本127点 .310
2019:143試合529打数139安33本92点 .263

・炭谷銀仁朗(西武→巨人)
2018:47試合129打数32安0本9点 .248
2019:58試合126打数33安6本26点 .262

エース、主砲、ベテラン捕手と大物たちが他球団に移籍。西勇は阪神で1年目から10勝、防御率2.92の成績をマーク。今季は6勝に終わったが、在籍3年間で27勝と先発ローテの一角として活躍した。丸、浅村は1年目こそ成績を落としたが主力として貢献。西武から巨人に移籍した炭谷は今季シーズン途中に楽天にトレード移籍している。

ロッテに移籍した福田秀は2年連続で出場機会は減らす、澤村はRソックス移籍で大活躍

【2019年オフ】
・福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)
2019:80試合166打数43安9本26点 .259
2020:62試合204打数44安5本19点 .216

・美馬学(楽天→ロッテ)
2019:25試合8勝5敗0S0H 4.01
2020:19試合10勝4敗0S0H 3.95

・鈴木大地(ロッテ→楽天)
2019:140試合527打数152安15本68点 .288
2020:120試合478打数141安4本55点 .295

美馬は1年目から10勝をマークし3年ぶりに2桁勝利をマーク。リーグ2位となった今季は6勝7敗と苦しんだが、21試合に登板している。鈴木大も昨年は全試合に出場し打率.295の好成績、今季も143試合と2年連続でフル出場し優勝争いに貢献した。福田秀は相次ぐ故障で移籍後は成績を残せず、今季はわずか4試合の出場に留まった。

【2020年オフ】
・澤村拓一(ロッテ→レッドソックス)
2020:35試合1勝3敗0S14H 3.41(巨人、ロッテの成績)
2021:55試合5勝1敗0S10H 3.06

・梶谷隆幸(DeNA→巨人)
2020:109試合433打数140安打19本53打点 .323
2021:61試合227打数64安打4本23打点 .282

・井納翔一(DeNA→巨人)
2020:17試合6勝7敗0S0H 3.94
2021:5試合0勝1敗0S0H 14.40

レッドソックスに移籍した澤村はリリーフ陣の一角として55試合に登板。チームは地区シリーズ、優勝決定シリーズに進出し大舞台での登板も果たした。梶谷は開幕スタメンも右手甲の骨折、腰痛など怪我に悩まされた。井納も開幕ローテ入りも不振で2軍生活を送りプロ入り最少の5試合、初の未勝利に終わった。

過去3年間を見れば怪我に悩まされ思った成績を残せなかった選手もいるが、ある程度は前年と遜色ない成績を残しているともいえる。FA選手の獲得に参戦する球団には年数、金額とある程度の契約内容が必要。新天地で期待以上の活躍を見せるのは中々、難しいようだ。(Full-Count編集部)

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