横浜市、市営地下鉄の回数乗車券廃止へ コロナ禍で乗車人員「回復見込めず」

横浜市役所

 長引くコロナ禍で乗車人員の回復が見込めないとして、横浜市交通局が市営地下鉄の普通回数乗車券の発売を来年3月末で終了することが14日までに分かった。合わせて市営バスの定期券発売所も数を減らすことで年間計約8千万円の経費削減を見込んでおり、同局の担当者は「経営改善を図るため」と説明している。

 13日の市会水道・交通委員会で市側が報告した。同局によると、新型コロナウイルス感染症の影響により市営地下鉄の乗車人員はコロナ前の20~50%減で推移しており、「今後も回復は見込めない」という。

 発売を終了する普通回数乗車券は10枚分の運賃で11枚の回数券が購入でき、有効期限は3カ月。2018年度は約8億3千万円を売り上げていたが、20年度には6億円まで減少していた。同年度の利用者数は延べ約270万人で、市の負担額は約6580万円だった。

 一方、朝の分散乗車を促すため、平日の午前10時~午後4時と土休日に使える昼間割引回数乗車券の適用時間を平日午前9時からに早めるとしている。

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