2022年エクストリームE参戦のマクラーレン、ひと足先に最終戦の舞台でテスト。ファウストは初走行

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 電動ワンメイクSUV選手権『Extreme E(エクストリームE)』の2022年“シーズン2”より新規参入を計画するマクラーレン・エクストリームEチームは、すでにレギュラー起用をアナウンス済みのタナー・ファウストとエマ・ギルモアの男女ペアを擁して、2021年最終戦の開催予定地であるイギリス・ボビントン周辺で、ひと足早くワンメイク電動SUV『オデッセイ21』のシェイクダウンを実施。その模様を、マクラーレンのYouTubeシリーズ“Uncharted”にて公開した。

 イギリスを拠点とするモータースポーツ界を代表する名門チームは、今週末12月18~19日に開催の迫ったシーズン1最終戦『The Jurassic X Prix』の開催地、サウスコースト郡ドーセット周辺で初のテスト走行に臨んだ。

 創設者ブルース・マクラーレンの同郷となるニュージーランド出身のギルモアは、すでにグリーンランドで開催された2021年第3戦、北極圏の『Arctic X Prix』にてエクストリームEのイベントを経験しており、北米のラリークロス・シーンのみならず、世界的な人気選手として活躍するファウストと対面し、この電動SUVのキャラクターとドライビングを指南するメンター役も担った。

 その第3戦ではヴェローチェ・レーシングからステファン・サラザンとのペアで戦ったギルモアは、2日間のプログラムで走り出しを担当し「最初からかなりグレートな感触だった」と振り返った。

「本当にテストの走り始めからとても良かったし、初日午前のセッションから生産的な時間を過ごすことができたわ。クルマはかなり良い状態で、すでに適切なセットアップ・ウインドウに収まっていた。だから私たちは、変更に対してどのように反応するかを確認するため、いくつかの異なるセットを試すことも出来たの」と説明する、ラリー・ジャパンやAPRC(アジア・パシフィック・ラリー選手権)のラリー北海道参戦経験も持つギルモア。

COP26の会場でお披露目されたMcLaren Extreme E teamの“ラウンチ・リバリー”
第3戦ではVeloce Racing(ヴェローチェ・レーシング)からステファン・サラザンとのペアで戦ったエマ・ギルモア

■初体験の電動SUVに「本当に『4次元的』な理解が求められる」とファウスト

 一方、これがエクストリームE用電動SUV初体験となったファウストは、最初から積極的にセットアップ変更を繰り返すなど、エレクトリック・モータースポーツ車両を学習する意欲を示した。

「本当に良い学びの時間になった。長いトラベル量を持つサスペンションだけに、スプリングやアライメントの変更を試し、電気による前後のトルク配分方法を変更するなど、僕らふたりにとって新しい領域での変更を加え、多くを試すことができた」と続けたファウスト。

「これは本当に『4次元的』な理解が求められるね。ステアリング操作で舵角を与えていった際にどこにどれだけの電力が送られるかを判断し、知覚しなくてはならない。でもそれはある意味『こんなこと、できたらいいのに』が具現化された、夢のような体験だ。まさに今、それを試しているんだよ!」

 チームは最終戦で使用する予定のルートをいくつか走行し、引き続きふたりでマシンをシェアしながらセットアップのバリエーションを増やす作業に没頭した。

「現在、ほとんどのラリーカーやラリークロス車両にはセンターデフすらないが、フロントにモーターがあり、リヤにもモーターがあるから、各モーターがどれだけのパワーを与えているかを判断することができる。それが単なるスプリングレートやダンパーのクリックよりはるかに大きな違いをもたらすんだ」と続けた、ドリフト界の第一人者でもあるファウスト。

「これほど混沌としていて、マディで、ぬかるんだコースでも、ハンドリングに大きな違いがあることを感じるのは興味深いことだったね。凍えそうだったから、コンディションの悪さによりデータが少し損なわれたけど、それでもとても楽しかった」

「2022年の新しいパーツをテストし、実際に来季のコース設定とイベントの雰囲気がどうなるかを想像するのは本当にクールな体験だったよ」

北米のラリークロス・シーンのみならず、世界的な人気選手として活躍するタナー・ファウスト
GRCグローバル・ラリークロスなどでは、フォルクスワーゲン・ビートルRXスーパーカーをドライブした