ドーピングで9ヶ月停止…オナナが悔やむ「1錠の過ち」とは

2020年10月、アヤックスでプレーしているGKアンドレ・オナナはドーピング検査で陽性となり、9ヶ月間の活動停止処分を受けることになった。

それから長くピッチから離れていたものの、今年11月24日のチャンピオンズリーグでようやく復帰。キャリアに深刻な影響があったとのことだが、無事にプレーを再開することができた。

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彼は今回『MARCA』のインタビューで以下のように答えたという。

アンドレ・オナナ

「アタランタと対戦したあとだった。非常に激しい試合で、結果は2-2だった。

その日は夜明けに到着したのだが、僕は頭痛で目を覚ましてしまったんだ。

処方された薬(Litacol)を飲もうと思ったが、出産したばかりの妻が服用していた錠剤(Lasimac)を持っていたので、思わず使ってしまった。

そして、その日僕は最初にドーピング検査を受けて家に戻った。

1ヶ月後、カメルーンにいたときに『陽性だった』と報告を受けた。医者には言ったんだ。『あなたたちのミスだと思う。僕はこれまで23回以上検査を受けてきたんだから』と。

医者が『フロセミドが検出された』と言ったとき、僕は『それは何だ?』と言った。それに答えたのは妻で、『アンドレ、それは私に処方された薬よ』と話したんだ。

その時『しまった、僕は愚かな間違いを犯した』と思った。

UEFAは『これは不注意によるもので、この薬はパフォーマンスの向上に役立つものではない』と認めた。

しかしサッカーと人生は簡単ではない。その間違いは制裁に繋がり、僕はそのツケを支払わなければならなかった。

すべてのことから人は学ぶことができる。戻ってこられてとても嬉しいよ。

エリートアスリートには、『過ちが受け入れられるような仕事ではないぞ』と警告したいと思う。体に入れるすべてのものに対して責任があるんだ。

汚染された水を飲んだのなら、それは自分のせいなんだ。難しいことだが、それがルールであり、刑を受け入れなければならない。

たった40ミリグラムの錠剤が人生とキャリアを破壊する。それは信じられないようなことだ。アスリートのイメージを破壊する。心理的にもとても難しい。

『喫煙も飲酒もしない僕が、ドーピング検査で陽性だったという事実を両親にどう伝えたらいいのか…』と思った。

マスメディアに載っていたものすべてを読んで、『僕は麻薬中毒者か?』と思ったこともあった。

ただ、それらの気づきが人を強くする。サッカーには人間の心があるわけではない。一部の人にとっては、サッカー選手はロボットのようなものであり、失敗する権利はないんだ」

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