エラ・フランシス・サンダースの最新刊『もういちど そばに』が発売!

株式会社創元社は、 イラストエッセイ『もういちど そばに』を2021年12月14日(火)に発売。 喫茶店や映画館、 それに書店で見知らぬ人と隣り合わせになる……。 2020年より前の暮らしの中にあって、 いま私たちが恋い慕う、 なにげない日常の風景を、 瑞々しい感性で世界各国から愛される作家のエラ・フランシス・サンダースが描きだす。 この本のイラストと文章は、 もともとは英国の作家・エラさんが、 コロナ禍のさなか、 インスタグラムやニュースレターに個人的にアップしていたもの。 彼女の発信に、 「励まされた」と世界中から大きな反響があった。 それをうけて、 作品をまとめて自費出版で販売したところ、 第2版も含めて、 すぐに売り切れに。

本書には、 新型コロナウイルス感染症に関する具体的な記述はありませんが、 日本よりもずっと危機的状況に陥っていた当時の英国の雰囲気が、 行間から伝わってくる。 また喪失と希望とをテーマに描いた本書は、 コロナ禍に限らず「心の痛み」を抱えたすべての人にとって癒しとなる一冊。 『翻訳できない世界のことば』『誰も知らない世界のことわざ』『ことばにできない宇宙のふしぎ』と、 エラさんのすべての本でタッグを組む、 絵本作家・前田まゆみさんによる翻訳とぬくもりのある手書き文字が、 読者のこころに寄り添う。

「訳者あとがき」より

エラ・フランシス・サンダースさんの著書を訳すご縁をいただいて、 4冊目。 今回の本は、 才気煥発で知力を最大限に駆使する彼女の前作3つと比べると、 とても素直でシンプルです。 最初に著者が「胸がいたくて、 でもこの絵を描いて癒された」と書いているように、 著者にこの本を描かせたもの、 それは今私たちも共有している「痛み」だと感じます。 2020年からの世界で起きていることはいったい何なのか、 それによって私たちは何を失い、 何と出会うのか。 「でも、 それもいいさ。 この星は、 きっとまた私たちを抱きしめてくれるはずだから」と、 この本は結ばれます。 もしかしたら、 「この星」つまり地球というのは、 私たち自身でもあるのかもしれません。 私たちはまた、 お互い抱きしめ合わなきゃいけないし、 そうしたい。 同じ時を生きている人をみんな、 ぎゅっと。 訳し終わった今、 私はそのように感じています。 それができる世界を、 もう一度。

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