<南風>生き抜く力

 私には13才、11才、7才の3人の子どもたちがいる。スポーツ、勉強、音楽と得意なものも個性は三者三様。沖縄でおおらかに自由に成長中であるが、私が掲げる子育ての目標は「自分の人生を生き抜く力」を身に付けること。そこで大切にしていることを二つお話ししたい。
 一に「決断力」。「経験は何よりの教科書」と言う通り、幼い頃は危険なこと・人に迷惑を掛けること以外は、あれこれ先回りして口を出さずにまずはチャレンジさせることをモットーとしてきた。成長してからは習い事を始めるのも辞めるのも本人の意思。母としてアドバイスはするが、最終決断は本人に委ねている。人生は決断の連続であるから日々の生活の中で起こる事柄に対し、自分で考え・決断し・責任を持って行動することは、ある意味訓練。
 二に「やり切って、出し切る」経験。ボクシングを通じてご縁をいただいた故名城政一郎先生との約2時間にわたる教育談義で最も印象に残っている言葉だ。物事に対するとき「自分のできることを全てやり切って、そしてやり切ったことを本番で出し切る」ことを意味している。何かを悔いなくやり抜いたという経験は「自分は何事も乗り越えられる」という自信となる。そういった経験はその後の人生でも困難にくじけない強い心の土台となるのだ。
 そして子どもたちが「生き抜く力」を養うために何よりも大切なことは、何事にも失敗を恐れず挑戦することができるよう両親が子どもの決断を受け止めて見守る・応援する存在、振り返ればそこにいる存在であり続けることだと考える。
 沖縄の地に根差し16年、子育てや仕事を通して私自身もまだまだ成長過程。子育ての目標に向かって子どもたちの成長とプロボクサーたちの挑戦を支えつつ、これからも新たなチャレンジを続けたいと思う。
(平仲絢子、平仲ボクシングスクールジム マネージャー)
 

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