神奈川県真鶴町・真鶴半島の先端にある景勝地・三ツ石で、44年ぶりにしめ縄の掛け替えが行われた。劣化していたためで、18日に作業が完了。町観光協会は「無事に終わってよかった。美しい光景をぜひ多くの人に見てほしい」と新年に向けて気持ちを新たにしていた。
三ツ石では、高さ約14メートルの岩と岩の間(約34メートル)にワイヤ入りの縄が渡され、縄製の「紙垂(しで)」が8つ垂らされている。
作家坪内逍遥が「初日の出 なぜ三ツ石に 注連(しめ)はらぬ」と詠んだことをきっかけに昭和初期に張られたとされ、1977年に掛け替えられていた。その後、傷みが激しくなり、観光客らから掛け替えを望む声が上がっていたことから、町観光協会が昨年、実施に向けたプロジェクトを立ち上げていた。
新たな紙垂(しで)は長さ約6.4メートルの縄を4本一束とし、8束をワイヤ入りの縄に結び付けた。担当したのは、高所作業が得意な釣り人らでつくる「日本一危険な釣りクラブ 湘南クリフハンター」のメンバー。この日は最後の一束を取り付け、間隔を調整するなどした。
初日の出に間に合うようにしようと、11月から作業を進めてきたメンバーは「楽しんで作業できた。これをきっかけに町が活性化すれば」と期待を込めた。
観光協会の有沢敏勝事務局長(71)は「きれいになった三ツ石で年明けを迎えてほしい」と来訪を呼び掛けていた。