出馬表明

 「…平成22年に就任して以来、県政のかじ取り役の重責を担い、日々努力してきた」「馴(な)れや緩み、驕(おご)りはないか、期待に応えられるか、慎重に考えた」「よりよい選択なのか、自問自答を繰り返してきた」▲出処進退について、と始まった話には、その先が「進」でも「退」でもおかしくなさそうな言葉が並んだ。もちろん、結論は既報の通り…中村法道知事が来年2月の知事選で4選を目指す意向を正式に表明した▲「育んできた芽を花咲かせ、具体的成果としてお返ししたい」。4年前の今ごろも似た言葉を聞いた気がするが、難題山積の本県、きっと簡単に咲く花ばかりではないのだ、と受け止めておきたい▲後継を探る動きもあったようだ。会見では「ふさわしい人にバトンタッチしたかったのは事実、お願いをしたのも事実…」と、自ら決断の“舞台裏”を明かす場面もあったと聞いた▲中村氏は11月で71歳になった。全国の知事たちを見れば、年齢にせよ、期数にせよ「上には上」も少なからずいるようだが、多選や高齢も論議を呼ぶことにはなりそう▲県政は終わりのない駅伝-と語ったのは1982年から知事を4期務め、中村氏も随行役として仕えた故高田勇さん。次の区間も自分が…と決めたランナーの揺れ続けた思いは別面の記事に詳しい。(智)

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