韓国政府が台湾長官の会議出席を直前に拒否 台湾政府は欠礼に激怒も中国紙は評価

韓国の大統領直属機関が台湾のオードリー・タン長官(行政院デジタル担当政務委員)の招待を取り消したことについて、中国の官営紙が評価する報道を行っている。

参考記事:韓国誌「台湾は日本統治を残滓と思わず」「朝鮮人を弾圧した人物、台湾では善政敷いた総督に」

グローバルタイムズは22日、韓国がオードリー・タン長官の招待を取り消したことについて「韓国が中国のレッドラインを考慮して正しい決定を下した」と報じた。

韓国は、大統領直属機関である「4次産業革命委員会」が去る16日開催した「2021 4次産業革命グローバル政策会議」において、オードリー・タン長官がオンラインで演説を行う予定だったが、当日明け方に韓国側がキャンセルを通知してきたと台湾外交部が明らかにしている。

台湾外交部は「韓国側の欠礼と関連して、駐台北韓国代表所代理代表を呼び、強力な不満を示した」と付け加えた。

同紙はこのニュースを伝えつつ、北京冬季オリンピックへの外交的ボイコットに韓国が参加していない点や、王毅中国外相が去る9月韓国を訪問した事実などを取り上げ、中韓関係が一層成熟していると評価した。

オードリー・タン長官

呂超遼寧省社会科学院研究員は同紙に対し、「来年、中韓修交30周年を迎え、両国関係が一層成熟した段階に入った」とし、「中国と米国のいずれか一方に偏らない韓国の理性的態度は国家の状況に合致しており中国も理解できる」と話した。

呂研究員は去る10日、米国が全世界110カ国を招待して開催した「民主主義首脳会議」においてオードリー・タン長官が発言した映像が削除されたことも取り上げ、「米国の先例を見れば、韓国の動きは驚くことではない」と主張した。

同会議では、オードリー・タン長官が発表した際に、画面中のスライド資料に中国を赤、台湾を緑で表示した地図が登場したが、米ホワイトハウスが「一つの中国」政策に反することから憂慮したと伝えられた。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「招待しておいて当日に取り消すのはさすがに失礼だ。中国の顔色を見ないといけない状況なのは分かるが、このような外交的欠礼は何の役にも立たない。この件の担当者は責任を問われるべきだ」

「情けない…中国には何も言えない…」

「日本には強く出るのに中国にはできない…屈辱だ」

「韓国は中国の従属国であり、中国は韓国の父である」

「台湾は国家ではなく来いと言えば来るし、帰れといえば帰る。欠礼でもなんでもない」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国紙「台湾はなぜ日本統治期に寛大なのか」「韓国では想像すらできない…二重的歴史認識」

参考記事:韓国紙「TSMCの日本進出は日台の特殊関係が背景に」「台湾は反日感情ない…共に韓国脅かす」

参考記事:韓国紙「台湾人の日本愛、韓国人に理解難しいのはなぜ?」「植民地清算の相違が最大要因か」

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