明るい年願い「寅」の絵付け 伝統の佐世保独楽づくり

来年のえと「寅」の絵付け作業を進める佐世保独楽本舗=佐世保市島地町

 長崎県佐世保市島地町の佐世保独楽本舗で、来年の干支(えと)「寅(とら)」を描いた佐世保独楽(こま)づくりが最盛期を迎えている。
 長く回ることから長寿や健康を願う縁起物として親しまれている県指定伝統的工芸品。3代目の山本貞右衛門さん(63)が、ブナ科のマテバシイをラッキョウ形に削り、妻由貴子さん(63)と長女優子さん(32)が絵付けを担当している。
 由貴子さんは「今年の干支は『丑(うし)』だったので、牛のように一歩ずつゆっくり進んできた。来年は虎のように少しスピード良く動けるかも」と期待。優子さんは「明るいニュースがないので、気持ちが明るく笑顔になってほしい」との願いを込め、一つ一つ手作業で丁寧に仕上げている。
 1月2日の恒例のこま回し大会は中止となったが、学校単位などでの小規模開催を企画しているという。


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