きょうは「冬至」 東京・足立区の銭湯も“ゆず湯”でほっこり

12月22日は1年で最も夜が長くなる「冬至」です。冬至に体の芯まで温まる「ゆず湯」に入ってもらおうと、東京・足立区内にある27の銭湯では毎年恒例のゆず湯が実施されています。

足立区西新井にある創業60年となる「湯処じんのび」ではユズ160個ほどが用意されました。ユズは男女の湯でそれぞれ80個ずつ使い、3時間おきに入れ替えるということです。ユズを丸ごと湯に浮かべるのかと思いきや、おかみの田中花子さんは「前は丸ごと浮かべていたが、お客さんがもんだり割ったりして中の種や皮が出てしまう。湯を循環させる機械に詰まってしまうので、ユズは切ってから湯に入れている」と話します。切ったユズは洗濯ネットに収め、浴槽へと浮かべられます。

昔から冬至にゆず湯に入ると「1年中風邪をひかない」といわれています。冬至はお風呂で病気やけがを治療しようという「湯治」に通じ、ユズは「融通」が利くようにという思いが込められているといわれています。

毎年恒例のゆず湯ですが、田中さんは「去年は新型コロナのせいで、ゆず湯はやったが密にならないためにもポスターなどは出さなかった」と話します。今年はポスターも復活し、準備を整えていよいよ開店です。午後2時、一番風呂を楽しもうと開店と同時にたくさんのお客さんが詰め掛けました。お客さんからは「香りがいいし、風邪ひかないから楽しみにして来た」などといった声も聞かれました。

この日、足立区内の浴場組合では65歳以上と小学生以下は特別料金で楽しめるということで、多くの人がゆず湯を楽しんでいました。

© TOKYO MX