わがまち回顧2021 対馬支局 活性化へ民間主体の動き

旧佐護小跡地にオープンした「ふるさとづくり『佐護笑楽校』」=対馬市

 過疎化で衰退する島北部の活性化に向け、民間が主体となって動きだした。非営利型株式会社「対馬地球大学」(高野清華社長)が今春、長崎県対馬市上県町に交流拠点施設「ふるさとづくり『佐護笑楽校(しょうがっこう)』」をオープンした。
 施設は、児童数の減少で2013年に閉校した旧市立佐護小の校舎を活用。鉄筋2階建ての建物には地元食材を使ったランチ・弁当を提供する食堂のほか、ギャラリー、貸し会議室などを整備している。週末には親子連れらが食事や見学を楽しむ姿が見られる。
 施設運営には地元住民も積極的に関わり、学生が農漁業者や職人などから生活の知恵を学ぶ体験学習会も実施。今後は、ゲストハウスの整備を予定している。対馬地球大学は施設を地域の中心に据え、交流人口やU・Iターン者増を目指す。
 対馬市の人口は20年に3万人を割り込み、少子高齢化は深刻。小中学校の統廃合が進む中、佐護笑楽校の事例は今後のまちづくりに向けたモデルケースになりそうだ。
 主なニュースは▽国重要無形民俗文化財に「対馬の盆踊(ぼんおどり)」指定▽九州郵船のフェリーうみてらしが博多-比田勝間に就航▽対馬朝鮮通信使歴史館が開館▽盗難仏像裁判で韓国・大田高裁が観音寺側の参加を認める決定▽長崎大研究グループが対馬の海洋ごみ調査船ロボットを開発


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