わがまち回顧2021 雲仙支局 土砂災害乗り越え より先へ

8月の大雨災害で土砂に覆われた八万地獄=12月14日、雲仙市小浜町雲仙

 長崎県雲仙市の小浜温泉、雲仙温泉の両観光協会を一本化し、市全体の観光振興に取り組む民間団体「雲仙観光局(仮称)」の設立準備委員会が3月に設立。来年4月の新団体始動に向けて準備が進んでいる。
 雲仙温泉街では8月の大雨土砂災害で小地獄地区の1家族3人が犠牲になり、雲仙地獄の一部の「八万地獄」も土砂に覆われ、源泉から旅館への温泉供給などが一時止まった。一部の旅館が休館を余儀なくされ、同温泉街の宿泊予約キャンセルは8月末時点で約5千件(1万7千人)に上った。
 源泉は約1カ月で仮復旧。「越えて より先へ雲仙」を合言葉に、八万地獄の再整備の在り方など温泉街の魅力向上への協議が加速している。
 9月以降は旧市立雲仙小中学校舎をワーケーション拠点などとして活用する「雲仙BASE(ベース)」がオープン。雲仙地獄を見渡す「極楽公園」も完成した。
 今月は県民宿泊割引キャンペーンの適用対象に近隣3県在住者も加わり、同温泉街でも年末の宿泊予約が増加。昨年は繁忙期の年末も新型コロナ禍で宿泊客が激減しただけに、旅館関係者は「今回は忙しく新年を迎えたい」と期待している。
 主なニュースは▽休暇村雲仙が閉館▽東京五輪男子バスケで田中大貴選手(小浜町出身)が活躍


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