昨冬の教訓 大雪に備え 一斉屋根雪下ろし 初の事前説明会 上越市

 上越市は23日夜、同市本城町の高田城址公園オーレンプラザで一斉屋根雪下ろしと排雪に備えた事前説明会を開いた。昨冬の大雪災害対応検証の中で、降雪後に行っていた説明会を事前に行うよう変更した。 説明会では高田地区など46町内会の代表らに実施手順などを解説した。この中で空き家の屋根雪下ろしは危険を伴うため、ボランティアに作業させない方針が示されたのに対し、不満の声が上がった。

昨冬の大雪を受けて初の事前説明会を実施。新たな対応も解説されたが、参加者からは昨冬の対応への不満、今後への不安も聞かれた

 資料は10月の大雪災害対応検証の中で出された意見を踏まえ、一斉雪下ろし前に各町内会がどのタイミングで、何をすればいいかを順に分かりやすく表記。また一斉屋根雪下ろし協力事業者の連絡先をリスト化。事前に雪下ろし場所を確認の上、早めに依頼してほしいと呼び掛けた。

◇空き家対策 戸惑いや不満の声

 一斉屋根雪下ろしのボランティアについては、空き家の屋根雪下ろしは危険が伴い、対象にしないとした。所有者と連絡が付かず、倒壊の危険や周辺、住民に危害が及ぶ恐れのある場合、行政で代執行するが、最終手段のため基本は各町内で除排雪を行うとしている。

 これに対し参加者からは戸惑いや不満の声が聞かれた。町内に2軒の空き家があるという70代男性は「町内会費をもらっていないのに、こちらだけが負担を負うのは困る。住民同士でも対応に意見が分かれているので、自助の呼び掛けばかりでなく、公助も期待したい」と求めた。

 市共生まちづくり課の担当者は「空き家は維持管理されていないため、屋根の雪下ろしは非常に危険。所有者と連絡が付かず、事前に状態が把握できない場合もある。昨冬は緊急的に、経験豊富な方にボランティアとして参加してもらったが、無償で作業してもらう範囲を超えている」と頭を悩ませた。

◇説明会資料 HP公開へ

 今回の説明会の資料は今後、市ホームページで公開し、各町内会での説明に活用を呼び掛けている。資料では各機関が配信する情報の一覧や、雁木通りの除排雪に関する図解も掲載されている。

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