守備力向上に必要な動き方は? GG賞3度獲得の名手が大切にする“1歩目の動き”

ゴールデングラブ賞3度受賞の大石大二郎さんが解説する守備の極意とは?

ゴールデングラブ賞3度受賞した大石大二郎さんが解説

名手は1歩目で守備の50%以上が決まると言い切る。ゴールデングラブ賞(当時はダイヤモンドグラブ賞)を3度受賞した元近鉄の内野手でオリックス、ソフトバンクなどでコーチを務めた大石大二郎さんは、インパクトの瞬間に全神経を集中して守備についていた。思い通りの守備ができるかどうかのカギとなる1歩目の動きは、少年野球にも通ずる。

近鉄でプレーした大石さんは、二塁手として1982年から3年連続で現在のゴールデングラブ賞にあたるダイヤモンドグラブ賞を受賞した。理想の動きができるかどうかを決めるのは「1歩目の動き」。ボールがバットに当たるインパクトの瞬間を重視してきた。

「100メートル走の号砲みたいな感覚でインパクトの瞬間を待っていました。投手が150球投げるなら、150回集中します。バットがボールに当たる角度で打球が自分の右か左か、どちらに来るのか予測できます。1歩目で、いい守備か悪い守備か50%以上決まると考えています」

現役時代は近鉄で活躍した大石大二郎さん【写真:間淳】

構えた時の体重のかけ方は「ゼロ」

理想の1歩目を切るために大切なのは構え方。肩幅より少し広く足を開く。大石さんは、走者がリードを取る時と同じだと説く。「走者は塁に出たら、いいスタートを切れるように構えます。次の塁に進むのか帰塁するのか、右にも左にも動く想定をしながら、速く反応できるように集中しますよね。それと一緒です」。少年野球の子どもたちを見ていると、守備で打球を待つ時に足の幅が狭いと感じる時があるという。

そして、大石さんは構えた時の体重のかけ方を「ゼロ」と表現する。右足にも左足にも偏らず、体の中心とつま先に体重をかけるイメージ。子どもたちにはインパクトの瞬間をじっと待つか、軽くジャンプしながら待つか、どちらか自分の感覚に合った形を選ぶよう勧めている。名手のこだわりは、インパクトへの集中力と1歩目にあった。(間淳 / Jun Aida)

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