「杜氏の郷」売却へ 6期連続純赤字 上越市が方針 市議会に説明

 上越市は約1億5000万円を出資する第三セクター、よしかわ杜氏の郷(吉川区)を民間企業に売却する。

 24日開かれた市議会文教経済常任委員会の所管事務調査で明らかにした。

 「杜氏の郷」は経営基盤の脆弱(ぜいじゃく)さから、前期まで6期連続で純赤字が続き、今期も純損失が避けられない見通し。

 「杜氏の郷」は1999年、旧吉川町の第三セクターとして創業。しかし日本酒市場の規模縮小により売上高は減少傾向をたどり、前期まで6期連続で経常赤字、純赤字を計上。市の第三セクター評価委員会は昨年度「民営化の検討」を行うよう指摘していた。2022年3月期は中間期で売上高2400万円、純赤字は1200万円。

 市は譲渡に当たり、日本酒醸造文化と地域振興の方針継承、雇用の維持ができる地元企業を念頭に交渉を進める考え。来年6月に売却先の公募を開始し、10月には譲渡契約を締結したいとしている。

 小田基史産業観光交流部長は「最大の課題は民間の酒蔵より(経営体制が)脆弱だったことだ。雇用に最大限配慮しながら、吉川の酒造り文化を残しつつ、持続可能性のある企業に株式を譲渡したい」とした。

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