秋の京都「東寺」特別拝観。闇夜の幻想的な紅葉

ユネスコ世界遺産・東寺の美しい紅葉

1994年「古都京都の文化財」の構成資産としてユネスコ世界遺産に登録されたた東寺。東海道新幹線から五重塔が見えることでも知られます。

1300年以上も変わらず京都・九条の地に佇む東寺は、歴史を今に伝える京都のシンボル的な寺院といっても過言ではないほど。

東寺は、真言宗の開祖であり、日本の仏教発展に大きな功績を残した弘法大師ゆかりの寺院でもあります。境内にある五重塔やお堂、仏像、そして弘法大師の遺品は、国宝や重要文化財に指定された宝物ばかりです。

東寺への行き方

東寺へは、京都駅の八条口から歩いてい行くことができます。所要時間は15分ほど。バスを利用する場合、「東寺東門前」から徒歩1分です。

秋の東寺の見事な紅葉

筆者が訪れたのは2021年11月中旬の19:00ごろ。平日でもたくさんの人で賑わっています。しかし、敷地が広いせいかさほど混雑を感じませんでした。

散りかけの木が多く、紅葉のピークを少し過ぎてしまっていたよう。それでも、このスケールの大きさと美しさときたら。1年でこの時期だけという短さが胸にしみます。

ちょうど満月だったので、月と五重塔を一緒に撮影することができました。東寺の象徴でもある国宝の五重塔は、間近で眺めると大迫力。ライトアップで細部の意匠がくっきり浮かび上がり、美しい造形が際立っています。

雷火などによってこれまでに4度の焼失を経験し、現在の五重塔ができたのは1644年、江戸時代前期とのこと。職人の技に感嘆するばかりです。

2022年秋の特別拝観期間は10月29日(土)〜12月11日(日)、17時15分~21時30分(受付は午後21時まで)です。

荘厳な夜の金堂・講堂

特別拝観では、金堂や講堂に入ることもできます。

金堂の隣にある講堂では、仏像で密教の教えを表現したという「立体曼荼羅」を拝むことができます。重要文化財の大日如来像をはじめ、国宝の像がずらり。夜の仏像は荘厳さを増し、こちらになにかを訴えかけてくるよう。仏像の微笑みに、ぐっと胸の奥を掴まれるような気がしました。

「喫茶やまぶき」の甘酒でひと息

ひとしきり境内を散策したら、庭園の入り口にある「喫茶やまぶき」での休憩もオススメです。

すりおろし生姜が添えられた自家製の甘酒。京都の夜は冷えるので、一杯で身体が温まります。ほっとひと息つきながら、忙しない日々の中でも足を止める時間の大切さを感じました。

桜の時期はまた違った美しさがあるのでしょう。春と秋の京都には、やっぱりいいことがたくさんありそうです。

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