タナク、ヒュンダイの新型WRC車両開発を称賛「まだやるべきことはあるが、間違いなく期待できる」

 ヒュンダイ・モータースポーツのオット・タナクは、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズンに向けて準備が進められている『ヒュンダイi20 N』ベースの新型WRCカーの開発について、開発チームを称賛している。

 ドイツ、アルツェナウに本拠を置くヒュンダイ・モータースポーツは、ラリー1規定が導入される2022年のWRCに向けて働いている3つのメーカーのうち、最後に新型ハイブリッドラリーカーを完成させた。

 彼らは先月行われた2021年シーズン最終戦モンツァの直後に、初期のテストで用いられていたプロトタイプからまったく新しいクルマへとスイッチ。より本番仕様に近いクルマでのテストを開始した。

 エストニアのスタードライバーは、12月の第4週にフレンチアルプスでこのクルマをテストしたが、彼は僚友のティエリー・ヌービルが大クラッシュを喫する以前の今月初旬にもテストカーのステアリングを握っている。

「このクルマの開発に関わる皆が本当に良い仕事をしてくれた」と語るのは2019年のワールドチャンピオン。

 彼はWRC公式サイト『WRC.com』に対して「(僕たちは)真新しい強力なシャシーを手に入れ、確実に大きな一歩を踏み出した」と述べた。

「もちろんシーズンが開幕するまでにできるだけ多くの距離を走りたいと思っているが、すでにクルマに乗った時間で僕たちのデザイナーやエンジニアが短期間で素晴らしい仕事をしたことが分かった」

 タナクはこのように語り、「まだやるべきことがあるということは理解しているが、(このクルマは)間違いなく期待できる」と付け加えた。

 2021年は優勝や表彰台を争うなかで、たびたび車両トラブルに見舞われ、スウェーデンでの1勝に留まるなど不完全燃料のシーズンを過ごしたタナク。家族の事情で最終戦モンツァの欠場を余儀なくされたこともあり選手権5位に終わった元王者は、WRC“新時代”のスタートでふたたび運気が上向くことを期待している。

 そんなタナクのチームメイトであるヌービルとオリバー・ソルベルグも、クリスマス休暇前に再度テストを実施。チームとしては年明け後の2022年1月上旬に、同月20~23日に開催される開幕戦モンテカルロに向けたプレイベントテストを行う予定だ。

ティエリー・ヌービルがドライブするヒュンダイの新型WRCラリー1カー

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