上五島病院を建て替えへ 長崎県病院企業団が方針

 長崎県病院企業団は27日、県上五島病院(新上五島町青方郷)を建て替える方針を明らかにした。建設先として町は現地を第1候補としている。時期は未定。同企業団は解体費を含めた総事業費を50億円程度と見積もっている。
 企業団によると、現在の病棟は1986年に新築し、5度増改築している。4病棟(延べ床面積約1万4千平方メートル)で構成し、このうち本棟は5階建て。内科や小児科など18の診療科があり、病床数は186床。これとは別に人工透析ベッドも10床ある。
 建て替え案では、同1万1500平方メートルの4階建てを想定。3病棟154床にスリム化するが、18診療科は維持する。人工透析ベッドは付属診療所「有川医療センター」の20床も集約し、30床とすることも検討。町は隣接の公園を含めた現地建て替え案を検討している。
 県庁で開いた同企業団議会の第2回定例会で報告した。このほか、県上対馬病院の建て替えや、県壱岐病院の増築も検討しているとした。
 2020年度の病院事業会計決算は、経常損益が約25億6千万円の黒字となった。黒字は14年度以来。新型コロナウイルス関係の補助金が大幅に増えたことなどが要因。企業団は「黒字決算となったが、内容は楽観視できるものではなく、引き続き健全経営に努める」としている。


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