元G西村健太朗監督も脱帽 最速116キロ誇る巨人Jr.初の女子選手が見せた好救援

ジャイアンツジュニア・西村健太朗監督(右)と濱嶋葵さん【写真:川村虎大】

ジャイアンツジュニアに女子選手として初めて選出された濱嶋葵さん

元巨人の西村健太朗監督に笑顔で「イエーイ!」とグータッチ。読売ジャイアンツジュニアで初めて女子選手として選出された濱嶋葵さんは、冬空のマウンドで躍動した。試合後の取材でも全く物怖じする様子は見せず、気持ちの強さが際立った。

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28日に開幕した小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2021」。神宮球場で、阪神タイガースジュニアとの初戦を迎えた。ジャイアンツジュニアは2回に3点を先制され、3回にもさらに2失点。1-5と4点ビハインドの3回1死一塁でマウンドに上がったのが、濱嶋さんだった。

慣れない回途中からのリリーフ。「難しい場面になってしまった」と言う西村監督の心配をよそに、「緊張しなかった」。登板直後は2本の安打で2点を奪われたが、4回以降の4イニングは被安打1。伸びのある直球を武器に、4回2/3を3安打1失点にまとめた。チームは5回に6点を奪い、最大6点差を逆転。勝利を導いた好救援に西村監督も「(濱嶋)葵と、関(弘太郎)くんは、投手の柱。期待以上のピッチングをしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。

3回から登板したジャイアンツジュニア・濱嶋葵さん【写真:川村虎大】

目標は巨人の女子チーム「大人になってもこのユニホームを着れるように」

4歳から遊びで野球を始め、一番の練習相手は父・翼さん。小学5年生で球速は100キロを超え、今では最速116キロを誇る。この日も、1球投げるごとにスタンドからはどよめきが起きた。

憧れている選手は3人いる。エンゼルス・大谷翔平投手、オリックス・山本由伸投手、そして兵庫・神戸弘陵高の島野愛友利投手だ。背番号は大谷と同じ「17」、グラブもアシックス社製の大谷モデルだ。所属チーム・荻窪ビクトリーでは4番を務めるほど打撃にも自信をのぞかせるが、この試合は出番なし。「DH制だったから……」と諦めたものの、打つ気は満々だった。

11月に巨人が女子チームの設立を発表。大好きな島野の入団も決まり、「大人になってもこのユニホームを着れるように頑張りたい」と明確になった。目標に向け、まずは大舞台で躍動。伝統あるユニホームを着てマウンドで堂々投げ込む姿は、小学生とは思えない風格が漂っていた。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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