米海軍佐世保基地で16人コロナ感染 基地関係者1人は死亡

16人の感染が発表された米海軍佐世保基地

 米海軍佐世保基地は28日、同基地関係者16人が新型コロナウイルスに感染し、うち1人は死亡し、その後の検査で陽性が判明したと発表した。長崎県佐世保市によると同基地の1日当たりの発表者数としては過去最多。同基地で判明している感染者数は計115人となった。
 市によると16人中15人は船の乗組員。感染の詳しい状況やクラスター(感染者集団)に該当するか否かなどについて同基地は明らかにしていない。同基地が「陽性者は基地内で隔離されている」と発表しているため、市は「市中感染の恐れはない」とし、基本的な感染対策の徹底を市民に呼び掛けている。
 米軍の新型コロナ対策を巡り市は、新型変異株のゲノム解析や濃厚接触者の待機措置を28日までに国へ要請したばかり。そのため今回の16人について新変異株「オミクロン株」かどうかについては米海軍に確認していないという。
 同基地の従業員や、飲食店関係者は不安の声を漏らす。40代男性従業員は「基地内で働いているのに情報が共有されておらず、どこで誰が感染しているか分からない」と話す。50代の男性従業員は「行動制限が緩和されて米国に帰った人もいる。正月が明けて戻ってきたときに感染者が増えないか心配だ」と懸念を口にした。
 同市湊町で外国人バーを営む苅住新さん(39)は「今年最後の稼ぎ時。基地で感染者が出ると、日本人はバーに寄り付かなくなってしまう」とため息。コロナ禍で6月まで基地関係者のバーなどへの立ち入りが禁止されていた経緯もあり「また制限されないか」と気をもむ。


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