軽症者、宿泊施設療養も オミクロン感染 沖縄県「柔軟に対応」

 県新型コロナウイルス感染症対策本部総括情報部は30日、国の指針で全て入院とされているオミクロン株感染者について、無症状や軽症者は宿泊施設療養を認めることを決めた。同日開いた県の感染症対策本部で報告された。29日から適用している。

 現在の国の指針では、オミクロン株感染者や、コロナ感染者のうちデルタ株でないことが判明し、オミクロン株の可能性がある人は全て入院とし、個室管理としている。その濃厚接触者も全て宿泊療養施設で14日間隔離と定めている。

 この指針について、26日に開かれた県の専門家会議で医師らから、無症状や軽症者に医療資源を費やしているなどとして、変更を求める声が挙がっていた。

 国の指針は変更されていないが、県感染症対策課の嘉数広樹課長は「軽症者が全て入院していると治療が必要な人の対応ができなくなるため決定した。国指針では『地域の実情に応じて』となっているので、県で重症度や重症リスクに応じて柔軟に対応していくことに決めた」と説明した。

 オミクロン株感染者の濃厚接触者についても、自宅での隔離も状況に応じて認める。濃厚接触者への複数回のPCR検査は国の指針通り実施する。糸数公医療技監は「地域での感染につながらないよう体制をとっていく」と強調した。(中村万里子)

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