菜の花 食にも活用 初の菜種油85本が完成 那須農業振興事務所の景観づくり

試作した菜種油

 【大田原・那須塩原】県那須農業振興事務所はこのほど、菜の花を生かした景観づくり「那須の菜の花プロジェクト」で育てた菜の花を活用した菜種油を初めて作った。

 同プロジェクトは2018年、JRグループが同年と前後1年ずつ開催した大型観光企画「栃木デスティネーションキャンペーン」に協力して農村地帯の魅力をPRしようと、大田原、那須塩原の両市と那須町で始まった。

 農家らに種を提供して花を咲かせており、本年度は3市町の20カ所で実施。同事務所でプロジェクトに携わる企画振興部の土屋久子(つちやひさこ)部長補佐は「農村に美しい景観をつくり観光客の回遊を促すだけでなく、3市町の連携・交流のきっかけにもなっている」と話す。

 菜種油は、大田原市南方と那須塩原市中塩原で取れた菜種を使用した。360ミリリットルの容器1本当たり約千円の費用をかけ、85本分の油が完成した。

 昨年11月に中塩原で行われたマラソン大会で、できた菜種油を使った料理や油そのものの試食会を開くと、「おいしい」「さっぱりしている」と好評だったという。土屋さんは「今後は一般販売できるよう、原価を下げるため改善していきたい」と意気込んでいる。

試作した菜種油と那須の菜の花プロジェクトを説明するパネル

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