ダカール競技初日:トヨタのアル-アティヤが首位発進。ローブが2番手、アウディ勢は厳しい1日に

 サウジアラビアで開催されているダカールラリー2022は1月2日、競技初日のステージ1Bが行われ、TOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+)が前日に行われた“プロローグ”に続きトップタイムをマークして総合首位に立った。

 サウジアラビア北部のハイルを立ち、同国を時計回りに進みながら紅海に面する西部の都市ジェッダを目指す約8000kmの旅がスタートした。その初日はハイルをスタート/フィニッシュ地点とする全長333kmのループステージが設定され、競技者たちは雨上がりの砂漠に挑んでいった。

 ステージ1Bのスタート順を決めるため、1日に行われた全長19kmのショートステージで最速タイムを刻んだアル-アティヤは、好調を維持し二日続けてのベストタイムをマーク。2019年以来、3年ぶりの総合優勝に向けて好スタートを切っている。

 トヨタのエースに続く総合2番手には、バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+)が12分44秒差で続き、ベンジーナ・オーレン・チームのフォード・ラプターRXクロスカントリーを駆るマーティン・プロコップが22分39秒遅れの総合3番手に。4番手にはオーバードライブ・トヨタのルシオ・アルバレス(オーバードライブ・ハイラックス)が入っている。

「マシュー(・ボーメル/コドライバー)と僕が今日行った仕事に満足している。最初から最後まで本当にプッシュし続けたんだ」と語るのは、2ステージ連続でベストタイムを刻んだアル-アティヤ。

「マシューのナビゲーションは素晴らしかった。良いリードを持って初日を終えることは素晴らしいことだが、まだまだ先は長い」

 好スタートを切ったライバルとは対照的に、シリーズハイブリッド方式の電動車で今大会に臨むチーム・アウディスポーツ勢は苦戦を強いられた。その最たるは2021年大会ウイナーのステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)だ。

 前日は14番手タイムとなった彼は、ステージ1Bの途中120km地点でアル-アティヤに次ぐ2番手に浮上するが、その後リヤアクスルを損傷するアクシデントに見舞われストップを余儀なくされる。サポートトラックの到着を待つ事態となった彼はこのトラブルで大きくタイムを失い、優勝争いから姿を消すこととなった。

 また、僚友のカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron)とマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron)もチェックポイントを見つけるまでに時間を要し、これが大きなタイムロスに。エクストロームが総合37番手、サインツは総合48番手でのステージフィニッシュとなっている。

マーティン・プロコップ(フォード・ラプターRXクロスカントリー)
セバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+)
総合首位に立つナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+)

■大雨の影響でマラソンステージが中止

 四輪部門・市販車クラスでは、トヨタ・オートボデーの三浦昂とロナルド・バソ(トヨタ・ランドクルーザー200)が、プロローグに続きステージ1Bでもクラスワン・ツー・フィニッシュを飾った。トラック部門を戦う日野チームスガワラの菅原照仁(日野600ハイブリッド)は総合28番手で最初のステージを終えている。

 二輪部門はプロローグで最速タイムを記録したガスガス・ファクトリー・レーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が二日続けてのトップタイムで総合首位に立った。

 首位と3分07秒差の2番手にモンスターエナジー・ホンダのパブロ・キンタニラ(ホンダCRF 450ラリー)が続き、トップから11分06秒の後れをとったレッドブル・KTMファクトリー・レーシングのマティアス・ウォークナー(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が総合3番手となっている。4番手はモンスターエナジー・ヤマハ・ラリーチームのアドリアン・ファン・ビファレン(ヤマハWR450F)だ。

ダニロ・ペトルッチ(テック3KTMファクトリー・レーシング)/ダカールラリー2022

 2021年までロードレース世界選手権MotoGPを走っていたダカールルーキー、テック3KTMファクトリー・レーシングのダニロ・ペトルッチ(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)は、ペナルティが1分科されたがトップと33分29秒差の13番手につけている。
 
 ダカールラリー2022の競技2日目に行われるステージ2の走行距離は338km、リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は514kmだ。なお、ラリー主催者のASOはステージ2のフィニッシュ地点となるアル・アルタウィヤのビバークが大雨によって浸水したことを理由に、ステージ2からステージ3にかけて予定されていた外部の技術的サポートが得られない“マラソンステージ”の実施をキャンセルしている。

ダニエル・サンダース(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)
パブロ・キンタニラ(ホンダCRF 450ラリー)
マティアス・ウォークナー(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)
アドリアン・ファン・ビファレン(ヤマハWR450F)

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