決意新た 一足早く成人式 長崎県内3市4町

成年証書を受け取る新成人代表=島原文化会館

 長崎県内3市4町で3日、帰省時期に合わせた一足早い成人式があり、新成人が大人の誓いを新たにした。昨年は新型コロナウイルスの影響で東彼東彼杵町を除き、12自治体が中止し、8自治体が延期。今年は分散開催やオンライン配信など工夫を凝らし、昨年参加できなかった新成人も対象とする自治体もあった。

◎島原 楽しみながら 貪欲に学ぶ

 昨年延期した島原市は、城内1丁目の島原文化会館で開き、新成人535人(男286、女249)のうち389人が出席した。昨年の対象者499人のうち、63人も参加。帰省を見合わせた新成人のために、式典の様子はオンラインで配信された。
 古川隆三郎市長は、今年と昨年それぞれの代表者に成年証書を手渡した。式辞で「多くの人の出会いから学び、常に努力することで夢や目標を達成されることを願っている。島原で生まれ育ったことを生涯の誇りとし、今後さまざまな分野で活躍されることを期待する」とエールを送った。
 今年と昨年の新成人を代表し、筑波大体育専門学群2年の池田成諒さん(19)が「日々の生活を楽しみながら、常に貪欲に学ぶ。多くの経験を積み、島原の発展に貢献できるよう努力したい」と決意。長崎大教育学部3年の黒岩千恵さん(21)は「私たちが今ここにいるのは、20年間生きた証し。責任ある行動を取り、たくさんのことに挑戦し成長できるよう努める」と述べた。

◎平戸 少しずつ成長したい

成人証書を受ける新成人代表=平戸文化センター

 平戸市は同市岩の上町の平戸文化センターで開き、新成人318人のうち、265人が出席。晴れ着姿で同級生らとの再会を喜び合った。
 黒田成彦市長が大学生の山内能碧(のあ)さん(市立平戸中卒)ら各中学校卒業生代表9人に成人証書を授与。「皆さんは社会の課題を解決するための原動力。未来に向かいチャレンジし続けることを期待する」と式辞を述べた。
 新成人を代表して専門学校生の針尾侑里さんが「悩み、失敗しながら少しずつ成長していく。平戸への感謝と愛情を持ち続けたい」。大学生の大石真樹さんは「平戸活性化のためには挑戦が必要。私たちにできることを頑張る」とそれぞれ決意を述べた。
 式典後は、出身中学校ごとに集まり、友人たちと記念撮影をしたり、談笑したりした。実行委の岩本悠希委員長は「委員の仲間と話し合い、式に関わることができてよかった」と語った。

◎対馬 出会う人々大切に

比田勝市長(左)から成年証書を受け取る新成人=対馬市交流センター

 対馬市は新型コロナウイルス感染対策のため、市内3会場で分散して開き、新成人330人(男174、女156)のうち、計254人が出席した。
 南部・厳原町の市交流センター会場には164人が出席。新成人代表の「誓いのことば」で、美津島町出身の専門学生、平山竜馬さんが「これから出会う人々との関わりを大切にしながら、日々精進していく」と宣誓した。
 比田勝尚喜市長から成年証書を受け取った同町出身の大学生、西川愛理さんは式後、「教育について学んでいるので、いずれは教員として対馬に貢献したい」と抱負を述べた。
 式は上対馬町と豊玉町でも開いた。

◎新上五島、小値賀 両親や地域に感謝

晴れやかな笑顔で記念写真を撮る新成人=新上五島町石油備蓄会館

 新上五島町は同町青方郷の町石油備蓄記念会館で開き、新成人200人(男98、女102)のうち166人が出席した。
 式典では石田信明町長が代表者に成人証書を授与し「それぞれの夢に向かい、着実に前進することを願う」と激励した。新成人を代表し、伊東良将(りょうすけ)さんが「責任ある行動をして、両親、恩師、地域の皆さん、友人に感謝を表したい。地域行事にも積極的に参加し、上五島を盛り上げていきたい」と抱負を述べた。
 北松小値賀町は同町笛吹郷の町離島開発総合センターで開き、15人(男10、女5)のうち14人が出席。新成人代表の永田宏紀(ひろのり)さんは「小値賀の良さ、心の温かさをしみじみと感じている。地域の絆を大切にしてコロナ禍を乗り切っていきましょう」とあいさつした。
 新型コロナウイルスの影響で延期していた昨年の同町の成人式は、昨年12月26日に同センターで開き、対象者19人(男9、女10)のうち14人が出席した。

◎波佐見 古里に恩返しを

記念写真に納まる新成人ら=波佐見町総合文化会館

 東彼波佐見町は折敷瀬郷の町総合文化会館で開き、新成人196人(男87、女109)のうち約140人が出席した。
 新成人代表の中川亜由さん(小樽郷)は、医師の夢を目指して県外の大学医学部で学んでいる現状を報告し「自分のことに責任を持つための節目の日。育ててくれた波佐見町に少しずつでも恩返しをしたい」と抱負を述べた。
 式典後は、記念撮影をしたり、ビンゴ大会を楽しんだりして旧交を温めた。

◎東彼杵 地元の友 唯一無二

新成人を代表して誓いを述べる岡崎さん=東彼杵町総合会館

 東彼東彼杵町は彼杵宿郷の町総合会館で開き、新成人93人(男57、女36)のうち76人が出席した。
 岡田伊一郎町長は「柔軟な発想と広い視野を持ち、変革する社会の中で活躍してほしい」と激励。新成人代表の岡崎陸斗さん(瀬戸地区)は「大学進学後1年間は新型コロナウイルスの影響でほとんど学校に行けない状態だったが、たわいないことを話せる地元の友人は唯一無二の存在と気づかされた。新成人らしく感謝の心を大切に今後の人生を歩みたい」と誓いを述べた。


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