長崎県内官公庁で仕事納め式 知事「防災、減災対策に全力」 コロナ禍で規模縮小も

新型コロナウイルス感染対策で出席者を制限して開かれた県の仕事納め式=県議会議場

 長崎県内の官公庁で28日、仕事納め式があり、知事や各自治体の首長らが今年1年を振り返り、2022年への意気込みを語った。新型コロナウイルスの感染対策で規模を縮小したり、訓示をリモート配信したりする自治体もあった。

 県の仕事納め式は県議会議場で開かれた。新型コロナウイルスの感染対策のため出席人数を絞り、中村法道知事が約100人の職員を前にあいさつした。
 中村知事は自然災害の多い1年だったと振り返り、「新型コロナを踏まえた避難対策の重要性を再確認した。ハード、ソフト両面で防災、減災対策に全力を注いでいく」と述べた。夏の東京五輪・パラリンピックで県勢15人が活躍したことにも触れ、「県民に夢と感動を与えてくれた」とたたえた。
 さらに、本県が離島や半島、中山間地域を多く抱えた「課題先進地」だとし、地域や産業上の課題克服に向け、デジタル技術の導入や新たなサービスの創出などが不可欠だと強調。職員に対し「1人一つの課題でいいので(克服に向けた)考えを持ち寄ってほしい」と呼び掛けた。
 
 ■長崎市長「ニーズ対応へ進化を」 島原市長「災害に強い街づくり」

 田上富久長崎市長 長崎開港450周年で、長年の積み重ねがさまざまな場面で形になった。100年に1度のまちづくりが一段と進む1年となるが、時代に合った働き方やニーズに対応できる市役所へ進化を。

 朝長則男佐世保市長 コロナ禍の大変な状況で仕事に励んでもらった。今年はIR(カジノを含む統合型リゾート施設)の事業予定者が決まり、来年は国に認定申請する。(認定に向け)市を挙げて頑張りたい。

 古川隆三郎島原市長 今年は雲仙・普賢岳噴火災害から30年の節目だった。今後も自主防災会再編強化を全地区に広げる。地域と協働した機能的で実行力のある組織を目指し、災害に強い街づくりを進めていく。

 大久保潔重諫早市長 (4月の市長)就任式の訓示でチャレンジと連携の姿勢を申し上げた。皆さんにはさまざまなチャレンジをしていただき、感謝している。(これからも)成果を追求する組織でありたい。

 園田裕史大村市長 コロナ対策と地域経済の両立に取り組むとともに来年の市制施行80周年や新幹線部分開業に向けた助走の1年だった。新たな町づくりをスタートさせ、これまでの取り組みを市民に還元したい。

 黒田成彦平戸市長 各職員が向上心を抱き、これまで以上に謙虚で真摯(しんし)に業務に向き合い、「優先すべきは市民のため」をモットーにした判断、行動を求める。飲酒運転は絶対にしないと心に刻んでほしい。

 友田吉泰松浦市長 今年も市民のため力を尽くしてもらい感謝する。国勢調査で市の人口減少に歯止めがかかっていないことが分かった。知恵を絞り、いろんな施策を打ち、総力で人口減少を食い止めていこう。

 比田勝尚喜対馬市長(俵輝孝副市長が代読) 年末年始は公務員としての自覚を持ち、3密回避などを順守して穏やかな新年を迎えてほしい。明くる年も活躍できるよう英気を養い、来年こそ飛躍の年にしよう。

 白川博一壱岐市長 国境離島新法の期限延長に向けて、官民一体となって各方面への働きかけを行っていきたい。作成された市財政基盤確立計画に基づき、責任ある財政運営に努めて参りたい。

 野口市太郎五島市長 今年も新型コロナ禍で大きな影響を受けた。来年は日本ジオパーク認定の結果が出て、高級ホテルの開業などもあり社会経済活動の回復が期待される。にぎわいを取り戻せるよう取り組む。

 杉澤泰彦西海市長 前例のないワクチン接種や大雨対応など、職員一丸となった頑張りに感謝する。自治体DXなど、行政も想像を超えるスピードで変革が求められている。知恵を出し合い業務に努めてほしい。

 金澤秀三郎雲仙市長 新型コロナや大雨災害などで活動に一定の制限を強いられたが、市民の協力でさまざまな事業に取り組むことができた。市の確かな発展のため、引き続き全職員の尽力を心からお願いする。

 松本政博南島原市長 来年はアフターコロナを見据えながら、持続可能な地域社会の実現に向けた1年になる。市民の経済・生活面のサポートや、災害に強く、人と環境に優しいまちづくりを進めていきたい。

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