引退後に監督を務めた名選手たち メジャーリーグ公式サイトが特集

かつては選手兼任監督が珍しくなく、タイ・カッブ、トリス・スピーカー、ナップ・ラジョイ、ジョージ・シスラーといった名選手たちがプレーイングマネジャーを務めた。しかし、現役引退後に監督を務めた名選手はそれほど多くなく、データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出している総合指標WARで通算70以上をマークした名選手のうち、引退後に監督を務めたのはわずか15人だけ(1900年以降)。メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガン記者は特集記事のなかでこの15人を紹介している。

引退後に監督を務めた名選手のうち、通算最多WARを記録しているのはウォルター・ジョンソン(164.8)だ。セネタース(現ツインズ)一筋21年のキャリアで通算417勝、3509奪三振、防御率2.17、メジャー史上最多の110完封をマーク。1927年限りで引退し、1929年から4シーズンにわたって古巣セネタースの監督を務め、1年目を除く3シーズンはいずれも92勝以上を記録したものの、リーグ優勝には手が届かなかった。1933年途中から1935年途中までインディアンス(現ガーディアンズ)の監督も務め、監督通算529勝432敗(勝率.550)を記録している。

WARランキング2位以下にも豪華な名前が並ぶ。2位のロジャース・ホーンスビー(127.3)は5球団で選手兼任監督を務めたが、1937年限りで引退し、1952年にブラウンズ(現オリオールズ)、1952年途中から1953年途中までレッズで指揮を執った。3位のテッド・ウィリアムス(122.1)は1960年限りで引退し、1969~72年にレンジャーズ(1971年までセネタース)で監督を務めたが、勝ち越したのは1年目だけ。年々勝率がダウンし、1972年にはシーズン100敗を喫した。

4位メル・オット(110.9)、5位フランク・ロビンソン(107.2)、6位クリスティ・マシューソン(106.5)とここまでの6人が通算100以上のWARを記録。5位のロビンソンは史上初の黒人監督として知られている。7位以下はエディ・マシューズ(96.1)、ピート・ローズ(79.6)、ルーク・アプリング(77.6)、ボビー・ウォーレス(76.2)、ポール・モリター(75.7)、ビル・ダーレン(75.2)、フランキー・フリッシュ(71.8)、アラン・トラメル(70.7)、テッド・ライオンズ(70.5)という顔ぶれ。なお、15人のうち、ローズとダーレン以外の13人はアメリカ野球殿堂入りを果たしている。

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