新型コロナ 長崎県内オミクロン初確認 諫早、長崎に帰省中の2人

オミクロン株の確認について公表する寺原県福祉保健部長(左)=県庁

 長崎県は4日、県内で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者を2人確認したと発表した。県内での確認は初めて。いずれも県外在住で、オミクロン株の市中感染が確認されている地域から諫早、長崎両市に帰省した後に発症した。疫学調査の結果、県は「県内で市中感染が発生している状況ではない」と判断している。
 2人は県と長崎市が2、3日に感染を公表。県環境保健研究センターのゲノム(全遺伝情報)解析でオミクロン株と確定した。いずれも海外渡航歴などはなく、ワクチンは2回接種済み。会見した寺原朋裕県福祉保健部長は「何らかの症状がある方は不要不急の外出を控え、早めの受診を」と呼び掛けた。
 県と長崎市によると、1人は年代非公表の男性で、先月28日に関東方面から空路で諫早に帰省した。濃厚接触者と接触者のうち計20人の陰性を確認、県外在住者と飛行機の同乗者計25人の検査を進める。もう1人は40代男性で先月31日に陸路の公共交通機関で長崎に帰省した。
 長崎市は4日、新たに6人の感染を確認したと発表。このうち3人はオミクロン株に感染した40代男性の濃厚接触者で、いずれも不特定多数との接触はない。残る3人のうち県外在住の20代男性は、先月31日に県外から長崎市内に帰省。3日に県外陽性者の濃厚接触者として検査し、陽性を確認した。市地域保健課によると、3日以降公表した感染者全7人のうち、5人は年末年始の帰省に起因しているという。県は感染者全員のゲノム解析を進める。

◎基本的な予防策を/長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授の話

 本県で初めてオミクロン株による感染が確認されたと発表があった。今後は増えていくことを予想しておくべきかと思われる。オミクロン株であっても、基本的な感染予防策は従来と変わらない。「三つの密」を回避し、マスク着用、手指消毒、部屋の換気等を改めて心掛け、体調が悪い場合は、すぐに医療機関に相談してほしい。また、ワクチンは2回接種しても時間とともに感染を防ぐ力が弱まってしまう。接種できる時期が来たら3回目について積極的に検討してほしい。


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