元プロ野球選手・香田氏 九州文化学園高の野球部監督へ 会見で抱負「長崎に恩返し」

九州文化学園高野球部新監督として地元への恩返しを誓った香田氏=ホテルオークラJRハウステンボス

 九州文化学園高(長崎県佐世保市)の野球部監督に今春就任する元プロ野球選手、香田勲男氏(56)=東彼東彼杵町出身、佐世保工高卒=の記者会見が4日、同市内で開かれた。香田氏は自身が高校時代に甲子園へ出場した際の地元からの支援などに感謝した上で「長崎に恩返しがしたい。子どもたちに野球の楽しさを伝えたい」と強調した。
 香田氏は高校2年の夏から3季連続で甲子園に出場。3年春の選抜8強に貢献し、夏の長崎大会決勝は無安打無得点試合を達成した。ドラフト2位で1984年に巨人へ入り、89年日本シリーズ優秀選手をはじめ、その後の近鉄を合わせて18年間プロで活躍。現役引退後は巨人、阪神などでコーチを務めてきた。
 会見で香田氏は「夢は体育の先生だった。プロの世界に入ってからも、子どもたちと一緒に野球をしたいという思いがずっとあった」と述べた。地元での高校野球参戦へ気持ちを強くしたのは九州文化学園の安部直樹理事長からもらった「熱く心のこもった手紙」と言い、横田正俊校長は「野球への情熱や人間性に、ぜひともお願いしたいと感じた」と振り返った。
 九州文化学園高野球部は2009年創部で主要県大会の最高成績は準優勝(夏は4強)。香田氏は「やるからには甲子園出場。誠実でたくましく優しい心を持った大人になってほしいという思いで指導したい。監督1年生の気持ちで生徒さんと一緒に勉強して一歩ずつ前に進んで成長したい」と意気込んだ。
 自身の高校時代や現在の投手の球数制限などにも触れて「今の高校野球は合理的で目的意識を持っている。県内にも九州文化学園より上の学校がある。追いついて、追い越していけるように生徒さんと一緒に汗を流し、地元から愛されて、応援されるチームを目指していきたい」と誓った。
 学校の悲願である甲子園は「やはり聖地。選手として行った甲子園と、プロ野球選手、コーチとして行った甲子園は全く違った。高校野球の監督として行く甲子園がどういう感じ方になるのかは分からないけど、いつかは行きたいというか、生徒さんと一緒に喜びを感じたいという楽しみがある」と4月の就任を心待ちにしていた。


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