佐世保の防空指揮所跡など巡るツアー 「海軍さんの散歩道」が14日再開

「防空指揮所跡」の説明をする田島さん(左)=佐世保市、海自佐世保地方総監部

 長崎県佐世保市の旧海軍関連施設などを巡る観光ツアー「海軍さんの散歩道」が14日から再開される。海上自衛隊佐世保地方総監部の敷地内に残る防空指揮所跡など旧海軍にまつわる場所を見学できる。
 ツアーは2017年から開始し、普段は一般の立ち入りができない指揮所跡などを見ることができる。20年3月から新型コロナウイルス禍で休止。再開を前に、関係者向けの見学会があり、自衛隊OBガイドの田島髙明さん(73)が施設内を案内した。
 総監部の敷地地下の防空指揮所は、佐世保鎮守府が1944年に運用を開始。九州付近に接近する敵の航空機の情報を収集し、砲撃の指揮を執っていた。爆撃に備えて壁の厚さは最大で1メートルにもなるという。
 当時は学徒動員された女学生も働いていたが、指揮所は軍事秘密とされていたため、家族にも勤め先を言うことができなかったという。田島さんは「戦いのために造られた施設を見てもらい、いかに平和が大切かを感じてほしい」と話した。
 ツアーは金曜日と、土日祝日実施の2種類で一部行程が異なる。予約受け付け中。問い合わせは佐世保観光情報センター(電0956.22.6630)。


© 株式会社長崎新聞社