長崎商工会議所 新年祝賀交歓会 新幹線開業「機運醸成につなげたい」

約130人が出席した長崎商議所の新年祝賀交歓会=長崎市、ホテルニュー長崎

 長崎商工会議所の新年祝賀交歓会が5日、長崎市大黒町のホテルであった。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止だったため、2年ぶりの開催。地元政財界の約130人が、コロナ禍で停滞した地域経済の回復を祈念し、飛躍を誓った。
 例年は立食形式で約800人が集っているが、今回は感染予防のため人数を制限。円卓を囲む着席の形で実施した。
 宮脇雅俊会頭はあいさつで、秋の九州新幹線長崎ルート部分開業に触れ「沿線の会議所をはじめ各団体との連携を図り、開業機運の醸成につなげたい」と決意。「製造業振興も重要な課題」とし、造船業で培った技術力を軸に「長崎の強み」を生かした海洋再生エネルギー、航空機、IT関連など新産業分野へ、地元企業の積極的な進出を後押ししていく考えを示した。
 日銀長崎支店の鴛海健起(おしうみたけゆき)支店長は取材に、景気浮揚に向け県内企業に期待する点として▽前向きなリスクテイク▽経済活動回復に伴う人手不足へ腰の入った対応-の2点を挙げた。その上で「今年も新型コロナ感染拡大防止と経済活動の正常化をうまく進めていけるかどうかが課題」と指摘した。
 十八親和銀行(長崎市)の森拓二郎頭取は、3月に旧十八、旧親和両行の店舗統合が終わると新銀行の体制がほぼ固まってくると説明。「ポストコロナの中で、いかに取引先事業者の企業価値を高めるお手伝いができるか。今までやってきたデジタル化支援を含めて、企業の生産性をいかに高め、もうかる産業にしていくかがわれわれの役目」と述べた。
 会では中村法道知事と田上富久市長、金子原二郎農相が祝辞を述べ、長崎税関の植田明浩税関長の音頭で乾杯した。


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