用意した750着は即完売 「鎌倉シャツ」が初の作務衣に挑戦

作務衣をまとう朝比奈住職(右)と大津さん=鎌倉市山ノ内の浄智寺

 鎌倉シャツの愛称で親しまれるアパレル会社「メーカーズシャツ鎌倉」と古都の寺院が協力し、機能性とデザイン性を高めた僧侶らの作業着「作務衣(さむえ)」が誕生した。

 コロナ禍を転機に同社が地元のためできることを探る中で生まれ、「まちのつながりで生まれた作務衣。さまざまな人の生活が、鎌倉発の品で心地よく楽しいものになれば」と思いが込められた一品は一般にも人気が広がり、即完売の入荷待ちとなっている。

 住職や僧侶の声から使いやすさを追求した新しい作務衣は、財布や鍵を落とさないようなポケットを付けたり、胸元がはだけにくい構造にしたりと工夫が凝らされている。1着約2万円で昨秋にウェブサイトで発売すると、用意した750着を完売した。

 有名デニムメーカー「カイハラ」(広島県)の耐久性の高いデニムを使用。国内工場でシャツと同様の丁寧な縫製に仕上げた。1年以上の試行錯誤を重ね完成させたメーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市雪ノ下)の貞末哲兵副社長(44)は「ストレッチが効いて動きやすく、かつ上品なシルエットに妥協せず作りました」と胸を張る。

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