16歳で最速161キロをマークした怪物右腕 着実に成長し続け見据えるMLBへの道

16歳で最速161キロを記録したマイナーリーガーが送る奮闘の日々とは【写真:Getty Images】

2018年に突如イベントに現れたキューバの超新星

10代から凄まじい能力を備えた若者たちが全世界から集まるMLB。2018年に彗星のごとく現れた当時16歳のサンディ・ガストン投手(現レイズ1A所属)もその1人で、多くのスカウトが集まる「International Showcase」で157キロを叩き出したことで知られている。マイナーリーガーとしての道を歩み始め、ガストンの凄みは2021年に更に増していた。

2018年にアマチュアFAとして、契約金260万ドル(約3億円)でレイズと契約を結んだガストン。当時既に6.3フィート(約191センチ)、200ポンド(約91キロ)の体躯を誇り、地元紙「タンパベイ・タイムズ」ら米複数メディアによると、自己最速は100マイル(約161キロ)に達していたとされ、類まれな素質に注目が集まった。

20~80の数値で示されるスカウティングレポート(メジャー平均は50に相当)において、ガストンは直球「70」、カーブ「50」、チェンジアップ「50」、コントロール「40」、総合評価「45」とされている。典型的なパワーピッチャーで、コントロールに大きな課題がありながらも圧倒的な直球にロマンを感じさせる逸材だ。

2020年のマイナーリーグ中止により、ガストンにとってルーキーリーグからスタートした2021年は実質プロ2年目となった。7月2日(日本時間3日)の初登板で先発として4回無安打無失点、7三振を奪うと、計7登板で19回2/3、被安打7、8失点(自責7)32奪三振、与四球13、防御率3.66を記録。直球は96~101マイル(約154キロ~163キロ)を計測した。

課題である制球力も改善の兆し

8月に入ると1Aに昇格し、6日(同7日)の初登板では4回を投げ無安打1失点、与四球3、4奪三振と上々の滑り出しを見せた。計7試合に先発して30回1/3を投げ16失点(自責13)、与四球22、22奪三振、防御率3.86で2021年を終えた。昇格前より僅かに成績は落ちたものの、上のレベルの打者相手にも堂々と渡り合った。

この1年で1Aに昇格したことが示すように、ガストンは着実に“夢の舞台”へと歩を進めている。1年目(ルーキーリーグ所属)の27投球回で防御率6.00から大幅に飛躍したことに加え、欠点である制球力を見ても9回あたりの平均与四球数が9.0→6.3に減少。9回あたりの平均奪三振数も10.3→12.6に上昇させている。

ガストンのマイナーでの奮闘ぶりに、米メディアも注目している。MLB公式は「制球力に磨きをかけ、変化球のレベルを上げ続けられれば、目を向けるべき存在になる」として“弱点”克服が上のレベルに行くためのカギとしている。米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」も1Aへの昇格を「大きな飛躍」と評価し、制球力も入団当初から確実に改善されているとした。

ガストンはMLB公式選出の2021年有望株ランキングでは21位に付けている。メジャー昇格は2024年と予想されているが、成長度合いによってはより近い将来にMLBのマウンドに立つことも考えられる。世界最高峰の舞台で躍動するガストンの姿が待ち遠しい限りだ。

【実際の動画】力強い直球を武器に成長を続ける怪物右腕ガストンの投球

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(Full-Count編集部)

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