救急出場7年連続1万件超 県央消防本部「限られた資源」適正利用を呼び掛け

県央消防本部管内の火災発生、救急出場件数の推移

 長崎県諫早市などを管轄する県央地域広域市町村圏組合消防本部が昨年1年間の「火災・救急概要」をまとめた。救急出場(出動)は1万664件(前年比5.7%増)と2015年以降、7年連続で1万件を超えた。約50分に1件の頻度。管内(諫早市と大村市、国見町と瑞穂町を除く雲仙市)住民の高齢化を背景にこの傾向が続くとみられ、同本部は救急車の適正利用への協力などを呼び掛けている。
 搬送(転院搬送も含む)は1万73人(前年比5.6%増)。出動したものの、その必要がないなどとして不搬送で終わったケースもあった。昨年に限ったことではないが、擦り傷など明らかに緊急性が低い救急要請もあるという。
 搬送者を傷病別(医療機関の初診時の診断)で見ると、中等症(3週間未満の入院)が過半数の5668人で最多。軽症(入院の必要なし)が3割超の3314人を数えた。
 同本部は「救急車や救急隊員は限られた資源。必要な救急搬送に対応できるよう、適正に利用してほしい」とし、救急車を呼ぶ目安として消防庁が作成した全国版救急受診アプリ「Q助」の活用のほか、消防署が開く救急救命講習の受講も呼び掛けている。
 一方、同本部が確知した出火件数は70件(前年比10件増)。死者2人、負傷者9人(いずれも前年と同じ)だった。出火原因は前年同様、「たき火」が13件と最も多かった。

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